こちらの記事は次のような方のニーズに応えるために書いています。
- TOEICで少しでもスコアを高めるコツが知りたい!
- TOEICはどういう順番で問題を解くのがオススメ?
- TOEICのテスト時に気をつけることは?
私は海外駐在経験があることもあり、日本人の中では英語はそれなりに得意な方だと思います。といっても、英語そのものにはそれほど興味がない&英語を真面目に勉強したのが社会人になってからということもあり、帰国子女の方のような流暢なレベルとは程遠いですが、TOEICの点数だけは帰国子女レベルです。今回はTOEICの試験マネジメントについてのお話です。
現在はTOEICオンラインテストやTOEIC Speaking & Writing Testsなどもありますが、この記事では最もポピュラーなTOEIC Listening & Reading Testについて説明しています。
TOEICの概要はこちらの記事で解説していますので、よろしければご参照ください。私が975点を取得したときの成績表も公開しています。
試験マネジメントについて
試験マネジメントの重要性
TOEICではあまり考えないかも知れませんが、年に1回しかチャンスのない資格試験の場合、事前に学習時間を多くとって、自らの能力を高めておくことはもちろん必要ですが、十分に休養をとって体調を整えておくことや、事前準備や心構えをして現場対応力を高めておくことも非常に重要です。
これは、数々の難関資格の一発合格を目指した私だからこそ、試験結果に結びつく要素としての能力・体調・現場対応力を重要性がわかっているとも言えます。
数々の試験の受験経験から、私はこうした想定外には、事前準備や心構えをしておくことである程度対応が可能と考えています。それを試験マネジメントと呼んでいます。
別の言い方では、お作法とか試験シミュレーションといって言い方をする場合もありますね。
試験マネジメントの方法
数々の資格試験での経験で、私は試験を受けるときには以下のことを試験マネジメントとして取り入れています。
- 試験開始前におこなうルーティンを守る
- 試験開始と同時にする行動を決めておき、その行動に従う
- 問題を解く順番をあらかじめ決めておき、そのとおりに実施する
- わからない問題は飛ばして後で考えることを徹底する
TOEICの場合は「そこまで真剣に考える必要ないでしょ。もう少し気楽に受けたら?」というご意見もあるかとは思うのですが、満点が余裕、という状態でない限り、これくらいの意気込みで挑む必要があるでしょう。
こちらの記事で解説していますが、リーディングセクションはノーミスでクリアしなければいけませんので、無駄な時間は一切ないですし、焦りなどを生むような行動も禁物です。また、多少のミスが許されるとはいえ、リスニングセクションでもPart3、Part4の連続問題すべてを落とすようなミスはしてはなりませんので、真剣に挑む必要があります。
そうしたことを考えると、試験マネジメントはTOEICであっても重要です。これは何も満点を狙う場合でなくても、使える部分が多いと思います。
TOEICにおける試験マネジメントの例
ここからは私のTOEIC受験時におこなっている試験マネジメントについて説明します。
試験開始前のルーティン
一つだけ重要な決めごとがあります。それは、
わからない問題で選ぶ選択肢を決めておく
です。私の場合は大体Bです。理由は特にありません。ただ、試験というのはただでさえ色々と頭を使わなければいけませんので、どれか全くわからないけど何か選ばなきゃ、というときに、どれを選ぶかを考えるのは時間の無駄です。
どうせ4肢択一ならば25%、3肢択一ならば33%しか当たらないのですから、1秒もかけずに選べるようにしておきましょう。
それ以外は、特に試験開始前のルーティンというのはありません。ギリギリまで単語を覚えるとか、そういう必要もないですしね。
しいて言えば、
- シャープペン、消しゴムは複数準備しておく(落としたときのため)
- 時計を置く場所を決めておく
- 目薬を使う人はハンカチと一緒に出しておく
くらいですかね。
資格試験全般に言えることですが、文章を読んで解答する以上、目の疲れは大敵なので目薬を使える試験であれば使う方が効率が上がると思います。試験中は時間がないかもしれませんが、実はそうしたリフレッシュを入れたほうが効率が上がって成果も良くなります。
目薬・ハンカチ・ティッシュも出しておくことができますが、試験官の方に断りを入れておく必要があるようですので、ご注意ください。
リスニングセクションの試験開始後
ここからTOEIC特有の作業になってきます。以下の図が全てなのですが、試験開始から1秒も無駄にすることなくこのプロセスを進めます。
簡単に言うと、
リスニングセクションはPart3・Part4にすべてを注ぐ!
ということです。以下解説していきます。
Part1・Part2の時間はPart3とPart4の先読みに集中
まずはリスニングの試験が開始されます。まずはTOEIC試験全般のアナウンス、その後Part1の説明へと移ります。
アナウンスが開始された瞬間、Part3まで一気に試験問題のページをめくって読み始めます。少しでも解答の選択肢を頭に入れておくことを目指します。
ここでいう読む、というのは少なくともPart3・4の質問と選択肢すべてについて、初見の状態にしないということです。初見の文章を読んで理解⇨英語の長文をリスニング⇨解答というプロセスは難易度が高いです。
一度でも文章を読んでおけば、少しはスムーズに読むことができるようになりますので、頭に入る可能性が高いです。そのための努力を前もってしておくのです。
TOEICリスニングセクションは、
- Part1 写真描写問題 6問
- Part2 応答問題 25問
の2つは難易度がそれほど高くありません。というよりも比較論でいうとPart3とPart4の難易度が高すぎる、といった方がいいかも知れません。
また、Part1とPart2は、「英語が話されてからそれに答える」以外の対策が取れません。
Part1に関しては事前に写真を見て何を話されるか想像する、ということくらいはできるかもしれませんが、そこまで複雑な写真ではないことがほとんどですから、選択肢を聞きながら写真を見るくらいでも十分に間に合うと思います。
そのため、Part1とPart2の解答時間以外は、Part3・4の正答を1つでも上げるための努力をします。もちろんですが、Part1とPart2の間にあるPart2の説明中もPart3・Part4を読みます。
ただ、Part2が始まると、「No.10」などの問題番号のアナウンスの後すぐに文章が読まれるため、問題が読まれそうになったらすぐに聞く体制にしておく必要があります。
特にPart2は攻略法としてもよくある話ですが、文章の5W1Hの疑問文を聞いておけばそれに対する解答が選べる場合がかなり多いので、文章の最初を集中して聞く必要があるので注意しましょう。
Part3とPart4は次の問題を頭にいれることに専念
Part2が終わると、Part3のガイダンスが始まります。ここでもPart3・Part4を読み続けていてもいいのですが、Part3からは攻略法が変わります。
今までは漠然と質問文と選択肢を読んできましたが、Part3に入ってからは、問題の英語の長文が読まれる前に、質問文と選択肢を可能な限り頭に入れる作業が必要になります。
これはやってみるとわかるのですが、
質問文と選択肢をリスニングの前に2回読む>>質問文と選択肢をリスニングの前に1回読む>>>>>>>質問文と選択肢をリスニングの後で読む
くらいの難易度があると思いますよ。
そのため、リスニングをするときにはある程度質問文と選択肢を頭に入れておいて、リスニングを聞きながら解答をマークしていくくらいの状態にすることが必要です。
そして、解答をマークし終わったら、すぐに次の質問文と選択肢を頭にいれるために読みにいく。
このプロセスをおこなうだけで、50点くらいは上がるのではないかなと思います。高スコアを取得する方は大体やっていると思います。もちろん、英語力が本当に高い、ネイティブレベルであればそんな必要はないかも知れません。
TOEICではメモは禁止なので取れる手段は取る
ここまでやる必要あるの??という疑問はもっともです。
ですが、TOEICは通常のリスニング試験では常識であるメモができません。そうすると、ただ英文を聞くだけでは頭に残らず、質問に対する解答もパーフェクトな状態ですることができないことも多いでしょう。
そのため、先に質問文と選択肢を頭に入れておいて、英文を聞きながらすぐにマークしていくのが試験マネジメントとして有効になります。
これで英語能力が測れるの?と思ってしまいますが、TOEICは英語力を測るだけでなくビジネス能力も測る試験のようですので、取れる手段はすべて取るべきだと思います。そのような要領の良さも必要なのだと思います。
評価する方はどうせスコアしか見ませんしね。少しでもいいスコアを目指すのが当然だと思います。
リーディングセクションの試験を解く順番
リスニングセクションはかなり細かく試験マネジメントについて説明しましたが、リーディングセクションはそこまで面倒なことはありません。
というのが、ただでさえ通常は時間が足りないと思いますので、あまり色々と気にしている暇はないと思います。
リーディングセクションでの試験マネジメントに関する注意点はこちらです。
Part7で焦ったら終わり。だから先に解く!
試験において焦りは禁物です。絶対に避けなければなりません。今まで私はいろいろな資格試験を受けてきましたが、時間が足りないと思った時にまともな思考力を維持することは難しいです。
時間が足りないことを避けるためには、もちろん速く問題を解くのが一番なのですが、TOEICのリーディングセクションのように問題数が時間に対して飽和しているような状態だと、速く解くにも限界があるでしょう。
そこで次善策として、焦ったら解けない可能性のあるじっくりと考える問題は、時間に余裕がある段階で問いておくということを考えます。
この「焦ったら解けない可能性のあるじっくりと考える問題」というのがPart7です。そのため、先に問いてしまって、時間が足りない状態で焦ってしまう、という状況を回避しましょう。
どっちから先にやっても時間は変わらないし、焦るのも変わらないでしょ?という意見もあるとは思いますが、Part5・Part6と、Part7では問題の質が違います。
Part5・Part6は、内容にもよりますが文法知識、単語知識などで即答できるような問題が多く、焦っていたとしても解答を導き出せる可能性が高いです。いわゆる、知識問題です。
一方でPart7は考える問題です。
なお、目安としてですが、Part5・Part6は1問30秒あれば解答可能です。Part5・Part6は全部で46問ありますので、23分必要となります。
そのため、私はPart7解答完了をリーディングセクション開始から50分後までに完了する、という目標を立てています。残りの25分でPart5・Part6を解答する、という具合です。
また、Part5・Part6に関しては下手に悩まない方がいいと思います。文法や語彙の問題は直感のほうが正解率が高いかな、と思っています。考える必要がありそうなものは印をつけておいてとりあえず解答し、後で見直し時に戻ってきて考える、というのでもいいでしょう。
リーディングPart7でわからない問題の飛ばし方
Part7は1~3つの文章を読んで、複数の質問に解答するのですが、中には時間をかけても解答が導き出せないものもでてくると思います。
そういうときは思い切ってどんどん飛ばしてしまいましょう。この理由は、
- 時間をかければ正解が導き出せるとは限らないから
- 難しい問題も簡単な問題も1問は1問なので、他の問題を問いた方が効率がいいから
- 後で戻ってきた時すんなり回答できる可能性があるから
などですが、一番最後が最も重要です。一度取り組んだ問題は、後で戻ってきてもある程度頭に残っています。その状態でもう一度考えると、実はあっさり答えられることもあります。そういう可能性に期待できる以上時間を無駄にするべきではありません。さっさと次に進んでしまいましょう。
ちなみに、空白を作ってマークミスをしてしまうことを防ぐためと、後で戻ってこれないときのために、その時点で最もふさわしいと思う選択肢をマークしておいた方が無難です。
リスニング中にリーディングを解くのは禁止
ある程度の実力以上になってくると、リスニングセクションで満点は余裕で取れるが、リーディングセクションは時間が足りないので、リスニングセクション中に解いてしまえ!という考えが浮かぶかも知れません。
ですが、これはTOEIC公式ホームページの注意事項で禁止行為とされています。
そして、禁止行為をおこなった場合は試験官による注意・警告、退場、採点対象外とされる、受験資格剥奪、過去を含めスコアを無効とする、などの処分が下されてしまう恐れがありますので注意が必要です。
なお、リスニングセクション中に他のPartを見に行く行為は問題ありません。
まとめ
以上、TOEICの試験マネジメントを説明しました。ここでまとめます。
- 試験開始前にわからないとき用の選択肢を決めておく
- リスニングセクションはPart3・Part4のために全力を注ぐ(常に読みに行く)
- リーディングセクションはPart7から先に問いて焦りを避ける、目標50分で終了
- わからない問題はどんどん飛ばす。後から戻ってきたらすぐ解けることもある
- TOEICは何よりもスコアが重要。少しでもいいスコアを取るための努力は怠らない
試験に真剣に挑むことは、良い結果を導く上で非常に重要です。試験対策でいい点を取るなんて邪道だ、という考え方もあろうとは思いますが、私は禁止行為、不正行為でなければどんな手段であってもスコアを上げる努力はするべきであると考えます。
理由は、資格というものはその経緯を問わず、結果で問われるものであると考えるからです。取得までの努力や、頑張りと言ったものは素晴らしいものだとは思いますが、見えないものである以上、評価はされません。
そのため、できる限りのことをして、精一杯の自分を見せましょう。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。