こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。
- マイニングを始めてオーバークロック設定もやってみたけど、どこを目指せばいいの?
- マイニングにはEfficiencyが重要って本当?
- マイニングで最も稼げるポイントを見つけるコツを教えてほしい。
IT知識と英語力がそれなりにあるので、英語の掲示板から方法を学んで仮想通貨のマイニングをやってみました。今回は、Nicehashというサイトを活用したマイニングで最も稼ぎを増やすためのEfficiencyの考え方をわかりやすく解説します。
ビットコインのマイニングについて
ビットコインのマイニングや、オーバークロック設定についてご存じの方は、こちらへお進みください。
ビットコインのマイニングとは?
ビットコインのマイニングとは、手持ちのパソコンのGPUの能力を活用して、仮想通貨の一つであるビットコインのブロックチェーン(取引台帳)のブロック生成作業に加担することで報酬を得ることです。
仮想通貨とはビットコインが有名ですが、資金決済に関する法律(資金決済法)では暗号資産として定義される資産の一つです。暗号資産の定義は、
- 不特定の者に対して、商品の購入やサービスの提供の対価としての代金の支払いに使用できる
- 電子的に記録され、移転できる
- 法定通貨(日本円や米ドル等)または通貨建資産(プリペイドカード)ではない
となります。
仮想通貨は法定通貨と異なり、国家がその存在を保証するような資産ではありませんので、一定期間ごとにすべての取引記録を取引台帳に追記することで整合性を管理しています。この取引台帳データの追記のことをブロックチェーンにおけるブロックの生成と読んでおり、膨大な計算が必要となります。
この計算に自分のパソコンで参加するのがマイニングです。ただ、このマイニングにはGPUの持っている高い計算能力が必要となります。
マイニングに関しては、こちらの記事でより詳しく説明していますので、よろしければこちらをご参照ください。
オーバークロックとは
オーバークロックとはパソコンの能力を設定以上に上げることです。
CPUやGPUなどパソコンのパーツは、工場で生産される標準品であるため、品質管理上、標準品質を超える目標品質をもっていることが通常です。そのため、標準能力以上の能力を使うように設定してみて、結果的にその設定に耐えられるようであれば、そのまま使い続ける、という形です。
古いですがドラゴンボールで登場する孫悟空の界王拳みたいなものですね。ただ、2倍とか3倍とか10倍とかではなく、「1.2倍界王拳!!」みたいな感じです。しょぼいかも知れませんが、マイニングや3Dゲームの世界では、重宝する能力なんです。
メリットとデメリットは以下のとおりです。
- メリット:能力以上の実力を引き出せる
- デメリット:生産時の品質のバラツキを活用するため、自分の持っているパーツに能力の引き出しがない可能性がある。また、無理をさせるため最悪故障する可能性がある。
詳しい説明はこちらの記事にありますので、よろしければこちらをご覧ください。
マイニングの効率性(Efficiency)とは
マイニングをするに当たっては、効率性を考える必要があります。ここでは、Nicehashを活用してマイニングをする場合で見ていきます。
Nicehashはサイトが英語で少し分かりづらい部分もありますが、GPUさえ持っていれば、簡単にマイニングを始めることができるので非常にオススメです。
こちらの記事では、Nicehashでマイニングを始める方法を解説しています。
Nicehashでマイニングを始めると、以下のコマンドプロンプトのような画面が出てきます。これがマイニングを実行しているログの表示です。
ここで、注目したいのが、赤い線で囲ったEfficiencyの部分です。
マイニングで鍵になる数値として、ハッシュレート(Speed)、消費電力(Power)、効率性(Efficiency)があります。
ハッシュレート(Speed)
ハッシュレートとは、マイニングをするときの1秒あたりの計算スピードのことです。単位は hash/s で、上記の例であれば28.55MH/sですので、毎秒2,855万回のハッシュ計算ができるということを意味します。もちろん速ければ速いほど、マイニングのスピードが速いことになります。
消費電力(Power)
消費電力は、GPUの能力を発揮するためにかけている電力量です。GPUは半導体で構成されていて、そこに電力負荷をかけることで計算をしています。計算スピードを上げれば、当然ですが電力をかける頻度が上がりますので、電力消費量も上がることになります。単位はW(ワット)ですが、電気代の計算においては1ヶ月当たりのkWh(キロワット時)を使用するのが一般的です。
上記の例であれば、72.58Wですから、
72.58W ✕ 24時間 ✕ 30日 ÷ 1,000 = 52.26kWh
52.26kWhとなります。ちなみに、電気代の計算は私の場合は楽天でんきの従量料金で26.5円/kWhですので、52.26✕26.5=1,385円となります。
効率性(Efficiency)
今回の記事のメインです。この効率性は、
ハッシュレート(Speed)÷ 消費電力(Power)✕ 1,000
で計算されます。単位はkJ/hを使用しています。
この効率性が何を意味しているかと言うと、単位消費電力あたりのスピードということになりますね。
つまり、ハッシュレートという計算スピードがものすごく速くても、消費電力が大き過ぎては効率性が下がりますし、一方でハッシュレートと消費電力の両方が小さくても、結果的に効率性は下がってしまいます。
マイニングの効率性の考え方
ハッシュレートと効率性、どちらを重視?
ここでは、私がよく見ている掲示板redditを頼ってみます。とてもいい質問が見つかりました。
ハッシュレートと効率性、どっちを重視すればいいの?という質問ですね。
見ていくといろいろな意見が出ているのですが、結論としては、「自分が電気代を払っていないならハッシュレート、そうでないならば効率性」ということになりそうです。
自分で電気代払っていないってどういう状況なんでしょう。マイニングやったら確実に電気代上がりますので、羨ましい限りです。
ハッシュレートと効率性の損益比較
この議論は一応効率性重視で答えが出そうなところではありますが、
- 電気代が世界中で異なる(ドイツやデンマークは1kWh=40円近く、カナダや韓国ででは1kWh=10円程度、日本は20~30円)
- ハッシュレートが高ければ必ずしもマイニング報酬が高いとは限らない(時間帯やエラー率など安定しない)
といったことから、結論は出ないかもしれません。
ただ、私としては効率性を重視したほうがいいと結論づけています。ここ3数週間の実績値からの集計です。 GeForce GTX 1660 SUPERを使用してのマイニングです。
- 1週目:Nicehashおまかせオーバークロック設定でのマイニング
- 2週目:オーバークロックを自分で調整、125Wの最大電力でハッシュレート最大を目指す
- 3週目:オーバークロックを自分で調整、効率性を最大にするセッティング
という設定で望みましたが、 GeForce GTX 1660 SUPERでは頑張っても30MH/s前後のハッシュレートまでしか到達しないようです。もちろん、個体差があると思いますので、もっと出せる、という事例はあると思います。
この結果だけを見ると、効率性を最大にするように自分でセッティングする方が、利益は高くなるという結論になりそうです。
ただ、結果としては1週間に100円とかそんな差ですから、そこまでこだわらずにとりあえず掘っとけ!というのでもいいかも知れませんね。
私の試算では1BTC=68万円を下回らなければマイニングは利益が出る、ということになっています。仮想通貨マイニングを推奨するわけではありませんが、仮想通貨そのものに投資するよりは、ギャンブル性は低いかな、と思っています。こちらの記事で説明していますのでよろしければご参照ください。
まとめ
ビットコインのマイニングにおける、効率性の考え方を説明してきました。ここでまとめておきます。
- マイニングの指標はハッシュレート(スピード)と消費電力、効率性がある。効率性はハッシュレート÷消費電力で求める単位電力当たりのスピードのこと
- ハッシュレートが高ければ必ずマイニングの結果が出るわけではないが、速いに越したことはない
- 基本的にはハッシュレートよりも効率性を重視したほうが利益率は高いと考えられるが、個別にデータを取って損益計算
- 細かいことを考えずに掘るのがいいかも?
以上です。
ここまでお読みくださいましてありがとうございました。