こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。
- 仮想通貨のマイニングをやってみようと思うけど、どれくらい儲かるのかな?
- マイニング用に今からパソコンを買っても間に合う?
- 簡単にマイニングの利益が分かる方法はない?
IT知識と英語力がそれなりにあるので、英語の掲示板から方法を学んで仮想通貨のマイニングをやってみました。今回はビットコインのマイニングをおこなうNicehashのサイトで、マイニングの損益を計算してみます。
ビットコインのマイニングは儲かる?
ビットコインのマイニングの基礎知識
ビットコインをはじめとする仮想通貨のマイニングについては、こちらの記事で解説しています。
簡単にまとめると、
- 仮想通貨のマイニングは、手持ちのパソコンのGPUの能力をブロックチェーンのブロック生成作業に提供し、報酬を得ること
- マイニングをするにはNicehashでビットコインを掘るのが簡単でオススメ
- ビットコインなどの仮想通貨が今後上がるか下がるかは誰にもわからないので、儲かるかどうかはわからない
となります。ここからは、仮想通貨の代表格であるビットコインのマイニングについて詳しく説明していきます。
さっそく本題のビットコインのマイニングは儲かるの!?という話をしましょう。
結論は、
今の相場ならば確実に儲かる
です。
ですが、要注意なのは「今の相場ならば」という点です。
ビットコイン相場の確認
まずはビットコインのチャートを見てみましょう(bitFlyerより))。
ここ1年で見ても、2020/6/27の965,394円から2021/4/17に6,660,346円まで上がり、本日2021/4/24では5,474,035円となっています。
約1年で5倍以上という感じですね。これだけ値動きの激しいビットコインですので、今後上がるか下がるかは全くわかりません。上がると予想している方も結構いるようですね。
ですが、ビットコインのマイニングにはコストがかかります。代表的なのは、以下の2つです。
- GPUつきパソコンの購入費用
- 電気代
パソコンは元々別の用途で購入しているのであれば、コストと考えなくてもいいかも知れません。ですが、電気代は確実にかかりますので、考慮には入れておく必要があります。
Nicehash CalculatorでGPUの損益を確認しよう
それではまず、私の利用しているNicehashというサイトを利用して、ビットコインのマイニングでどれだけ稼げるのかを調べてみましょう。
NichhashはProfitability Calculatorという超便利な損益計算サイトを用意してくれています。
ここではENTER HARDWARE MANUALLYを選択します。AUTODETECTでもいいのですが、ソフトをダウンロードする必要があり、若干面倒だと思います。
こちらの画面で3つの項目を入力します。それぞれ、通貨、電気代、GPUデバイスです。
楽天でんきは料金体系がわかりやすく楽天ポイントもたまってとてもお得な電力会社です。こちらの記事でご紹介していますので、よろしければご参照ください。
CALCULATEのボタンを押すと、すぐに結果が出力されます。
これは1日あたりの利益を意味していますので、304.56円/日ですね。たった300円・・・?と思われるかも知れませんが、これはブログやYoutubeのようなストック型の収入であり、ほぼほったらかしで稼げる、不労所得なんですよ!
もし1日300円を投資の利益で稼ごうとすると、どれだけの資金が必要だと思いますか?投資信託などで年5%の利益が出せるとします。税金で20%は取られることになりますので、手取りの利回りは年4%です。
そうすると、必要資金は以下の数式で計算できます。
300円×365日÷4%=2,737,500円ですね。
つまり、ビットコインのマイニングができるというのは、300万円弱の資産を持っているのと同じことを意味するんですね。
あれ、でもこの計算は電気代きちんと引かれているのかな・・?もしかして、最初に大きい金額(300円ですが)を見せておいて、実は電気代がたくさんかかりました!とかいうガッカリなやつですか!?
と思ったあなたは相当リテラシーが高いと思います。騙される可能性が低いです。
もう少し、計算結果を詳しく見てみましょう。
一番上が収益、真ん中が電気代、一番下が利益ですね。きちんと電気代が引かれた結果が304.56円/月で、先程の表示と一致していることがわかります。
ということで、このマイニングがおこなえるパソコンを持っているということは、300万円ほどの資産を持っていることと同じことがわかりました。
最高峰GPUのマイニングの稼ぎはどれくらい?
では、もっとすごいGPUだとどうなるんだろう?気になりますよね。ちょっと見てみましょう。こちらは私が憧れるGeForce RTX 3090 SUPRIM X 24Gです。
姿からして、風格が漂っていますよね。
なんと、1166.74円/日の数字が出ました!・・・ですが、思ったより多くないかも知れません。多分この計算は目安なので、個別の製品の特性などは考慮されていないと思われ、RTX3090の最高峰の製品ということを考えると、もっといい数字が出るのではないかと思います。
とはいえ、この計算だけでも、年間43万円ほどの利益となり、税引き後利回り4%で計算した場合、このパソコンの価値は1,065万円です!
正直、常軌を逸した評価ですね。ですがこれがマイニングの真実です。
マイニングの損益で絶対に忘れてはいけないこと
ビットコイン相場の値下がりに注意!
私のパソコンは7万円くらいで購入していますので、それが今や300万円ほどの価値がある、ということができます。あくまで利回りを生み出す資産として考えれば、ですが。
ですが、この計算をするに当たって、必ず考えなければならないことがあります。
それは、ビットコインの値下がりです。
あくまで、現在の価値で計算した結果、年間利益が11万円くらい想定できるわけですが、もし1ビットコインが先程紹介した100万円くらいまで落ちたら・・・?
ちょっと計算してみましょうか。先程の私の愛機GTX 1660 Superの試算です。若干面倒なので、端数は四捨五入します。
1BTC = 545万円 | 1BTC = 100万円 | 1BTC = 50万円 | |
収益 | 349円/日 | 64円/日 | 32円/日 |
電気代 | 44円/日 | 44円/日 | 44円/日 |
利益 | 305円/日 | 20円/日 | -12円/日 |
PCの価値 | 278万円 | 18万円 | -109万円 |
PCの価値は、先程の手取り利回り4%で計算しています。
ビットコインの相場で、大きく利益が変わっていますね。1BTC=50万円では、損が出てしまうことがわかります。
マイニングの損益分岐点計算をしてみよう
上記の1BTC=50万円では利益が出ないので、マイニングをやらない、という判断もあると思います。実際のところはいつかは上がるだろうからとりあえず掘っとけ、という感じになるような気がしますが、それは置いておいて、この判断を行うためには損益分岐点の計算を応用してみましょう。
つまり、1BTC=いくらを下回ったら損になるのか?という計算です。この計算には損益分岐点売上高の計算式を応用します。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
固定費は電気代ですね。電気代は経理の世界では変動費扱いするのですが、マイニングの場合は24時間365日、常にパソコンを動かし続けますので、固定費扱いします。
限界利益率は、限界利益を売上高で割るのですが、今回の場合は1日あたりの収益をビットコインの価値で割ることで、擬似的に限界利益率を求めます。
つまり、1BTC=545万円のとき1日当たり収益が349円であれば、0.000064となります。
電気代44円 ÷ 0.000064 = 687,106円ですので、1BTC=68.7万円を下回ったら、マイニングが損になる、という判断ができますね。
一応検算してみましょう。
349円÷5,450,000円✕687,106円=44円
ということで電気代だけが回収できる状態です。
もっとも、ビットコイン相場は上下変動しますので、68万円を切ったらマイニングしない方がいい、と言っているわけではありません。
ずっと68万円を切るような状態が続くのであれば、手仕舞いした方がいいということになりますが、それすら見通せないのが仮想通貨であり、判断は難しいですね。
まとめ
今回はマイニングの損益についてご紹介しました。以下、まとめます。
- Nicehash CalculatorでGPU毎の損益見通しが可能
- ビットコインは価格変動が激しいので、損益も常に変わることに注意
- 損益分岐点価格を計算することで、撤退価格がわかるが、次にいつ上がるか価値がゼロになるかはわからないのがビットコインの常。過度な期待は禁物
余っているパソコンをとりあえず使ってみよう、くらい感覚で挑んだほうが良さそうです。現在の相場であれば、7万円のパソコンが280万円に化けている状態ですが、それがいつまで続くかは誰にもわかりません。ビットコイン価格が下がれば損してしまう可能性もありますので、それだけは理解する必要があります。
ここまでお読みくださいまして、ありがとうございました。