社会保険労務士

社会保険労務士試験独学合格体験記 過去問インプットで効率学習、横断整理での暗記が鍵になる!

こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。

  • 社会保険労務士試験の合格体験記が読みたい!
  • 社会保険労務士試験に合格するための勉強法が知りたい。
  • 社会保険労務士試験の学習で役に立つ教材はある?
まっすーです。中小企業診断士試験他多くの資格に合格した実績をベースに数々の資格試験の合格アドバイスをしています。
社会保険労務士試験には2014年に5ヶ月程度の学習期間で一発合格しており、その時の合格体験記を紹介するとともに、短期間合格の秘訣をお伝えしたいと思います。

社会保険労務士試験の合格証と得点

説明への説得力を持たせるために、私の社会保険労務士試験の合格証と得点をアップしておきます。

得点は選択式33点、択一式46点でした。
このときの合格基準は以下のとおり、選択式26点、択一式45点でしたので、余裕で高得点合格、というわけではありませんでした。

最後の追い込みでは、社会保険労務士試験の鍵を握る選択式試験対策を中心にしたことで、すべての科目で3点以上を取りに行って、しっかりとそれを達成できたのが合格の鍵だったと思います。

ただ、合格率も9.3%と高かった年度ですので、短期間合格を果たしたとはいえ、運も良かったといえると思います。

受験を志したきっかけ

私が社会保険労務士試験を受験しようと思ったのは、中小企業診断士の実務補習を終え、中小企業診断士の登録を完了した頃でした。

中小企業診断士になったことでいろいろな方との出会いがあったのですが、やはり活躍されている中小企業診断士の方は確固たる得意分野を持っていることがわかりました。それは、飲食店に強い、ITに強い、税理士や弁護士資格を持っている、など様々ですが、とにかく何かしらの強みを持っている方が中小企業診断士として成功すると考えました。

私は中小企業診断士として即独立するようなつもりはなかったため、将来中小企業診断士として仕事をすることになったときに役立てられるような力となる資格を手に入れることを考えました。

そこで選択したのが社会保険労務士でした。
社会保険労務士の業務には以下のものがあります。これは社会保険労務士法第二条第一項に記載されています。

  1. 労働社会保険諸法令に基づく申請書等及び帳簿書類の作成
  2. 申請書等の提出代行
  3. 申請等についての事務代理
  4. 都道府県労働局及び都道府県労働委員会における個別労働関係紛争のあっせん手続の代理
  5. 都道府県労働局における男女雇用機会均等法、パート労働法及び育児・介護休業法の調停の手続の代理
  6. 個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続における当事者の代理(紛争価額が120万円を超える事件は弁護士との共同受任が必要)
  7. 労務管理その他の労働及び社会保険に関する事項についての相談及び指導

上記1~3は社会保険労務士および社会保険労務士法人の専任業務、4~6は特定社会保険労務士および特定社会保険労務士の所属する社会保険労務士法人の専任業務となります。

中小企業診断士はもちろん、中小企業に関する業務をおこないます。中小企業は労働・社会保険諸法令に関する業務を社会保険労務士に依頼しているケースも多いため、中小企業診断士になったときに、社会保険労務士の資格を活用できると考えました。

そこで、社会保険労務士の資格を取ることを決めました。

なお、私が受験を決意したのは2014年3月だったので、試験勉強期間は5ヶ月ほどしかありませんでした。そのために効率的な学習をしなければならない、と考えました。

試験研究

私が資格試験を受けようとするときに実施するのが試験研究です。

これは、資格試験の参考書や過去問などを見て、どのような学習をすれば最も効率的に学習を進められ、一発合格の可能性を高められるかを考えます。

当時私がおこなった研究を元に、試験の概要及び試験対策を説明します。

試験の概要

社会保険労務士試験は毎年8月の第4日曜日におこなわれます。
試験は択一式と選択式に分かれており、下記の日程で実施されます。

選択式試験 10:30~11:50(80分)
択一式試験 13:20~16:50(210分)

選択式試験は80分で40問なので1問2分、択一式試験は210分で70問なので1問3分。時間的には結構余裕があると思いますが、択一式は3時間半の長丁場に耐えられる忍耐力、集中力の維持が必要です。

ちなみに私が受験したときは択一式が午前、選択式が午後でした。もっと前には選択式が午前、択一式が午後でしたので、現在はそのときの順番に戻っていると言えます。

試験科目は以下のとおりです。

試験科目択一式
計7科目(配点)
選択式
計8科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法10問(10点)5問(5点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点)5問(5点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点)5問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識10問(10点)5問(5点)
社会保険に関する一般常識5問(5点)
健康保険法10問(10点)5問(5点)
厚生年金保険法10問(10点)5問(5点)
国民年金法10問(10点)5問(5点)
合  計70問(70点)40問(40点)

択一式試験は、1科目10問が出題される、5肢択一の試験、選択式試験は1科目につき20の選択肢が用意されており、そこから選択する多肢択一の試験です。

試験制度としては、

選択式・・・各科目のうち3問(60%)以上正解かつ合計28問以上正解
択一式・・・各科目のうち4問(40%)以上正解かつ合計49問以上正解

を原則的な合格基準としています。

「各科目のうち○問以上正解」の部分は、この得点を下回った場合足切りにあってしまい、どれだけ他の得点が高くても即不合格となります。

特に選択式は各科目で原則3問以上の正解が義務付けられ、2問以下の正解科目が一つでもあれば不合格になる可能性があるということで、これが社会保険労務士試験の恐ろしいところです。

正解数の合計については、平均70%も得点しなければならないの?と思われるかも知れませんが、安心してください。実は社会保険労務士試験には年度毎の補正という合格基準の調整の仕組みがあります。

こちらは過去、厚生労働省内部の秘密事項になっていたのですが、時に不思議な得点調整が行われているとして話題になったこともある試験ですので、ある方がこの問題の開示請求に取り組まれ、裁判にもなった結果、年度毎の補正の基準が公開されることになりました。

合格点の補正は、以下の基準でおこなわれます。
まずは、総得点の補正です。基本的には全受験生の平均点をベースとして、前年度と比較して合格基準点を上下させているということです。

(1) 総得点の補正
① 選択式試験、択一式試験それぞれの総得点について、前年度の平均点との差を少数点
第1位まで算出し、それを四捨五入し換算した点数に応じて前年度の合格基準点を上げ
下げする(例えば、差が△1.4点なら1点下げ、+1.6点なら2点上げる。)。
※ 前年の平均点との差により合格基準点の上下を行うが、前年に下記③の補正があっ
た場合は、③の補正が行われなかった直近の年度の平均点も考慮する。
② 上記①の補正により、合格基準点を上下させた際、四捨五入によって切り捨て又は繰
り入れされた小数点第1位以下の端数については、平成13年度以降、累計し、±1点
以上となった場合は、合格基準点に反映させる。ただし、これにより例年の合格率(平
成12年度以後の平均合格率)との乖離が反映前よりも大きくなった場合は、この限り
ではない。
③ 下記(2)の各科目の最低点引き下げを2科目以上行ったことにより、例年の合格率と
比べ高くなるとき(概ね10%を目安)は、試験の水準維持を考慮し合格基準点を1点
足し上げる。

次に科目最低点、つまり足切りの基準の補正です。
こちらは平均点というよりは、足切りになってしまう受験生が半分以上いる場合は、最低点を引き下げるということになります。
特に選択式試験では、どの科目でこの補正がおこなわれるかが運命の分かれ道になるため、毎年受験生をやきもきさせています。

(2) 科目最低点の補正
各科目の合格基準点(選択式3点、択一式4点)以上の受験者の占める割合が5割に満
たない場合は、合格基準点を引き下げ補正する。
ただし、次の場合は、試験の水準維持を考慮し、原則として引き下げを行わないことと
する。
ⅰ) 引き下げ補正した合格基準点以上の受験者の占める割合が7割以上の場合
ⅱ) 引き下げ補正した合格基準点が、選択式で0点、択一式で2点以下となる場合

難易度

社会保険労務士試験の難易度について考えてみます。
ここ10年の推移では、合格率は2.6~9.3%とかなり幅がありますが、おおむね6~7%程度となっています。

15~6人に1人しか合格しない試験といえば、かなり難しい試験という印象ですね。

年度受験者数(人)合格者数(人)合格率
平成23年53,3923,8557.2%
平成24年51,9603,6507.0%
平成25年49,2922,6665.4%
平成26年44,5464,1569.3%
平成27年40,7121,0512.6%
平成28年39,9721,7704.4%
平成29年38,6852,6136.8%
平成30年38,4272,4136.3%
令和元年38,4282,5256.6%
令和2年34,8452,2376.4%

ただ、試験問題を見てみるとわかりますが、社会保険労務士試験の特徴として、

  • すべて択一式、選択式のマークシート方式であり、記述や論述試験がない
  • 深く考えるような問題というよりは、知識を問われる問題が多い

というものがあり、しっかりと学習をすれば合格することは決して難しくない試験であると考えます。受験のテクニック等もそれほど必要ではなく、私としては、独学で十分合格可能であると考えました。

そして、ここが一番のポイントなのですが、全てがマークシート試験ということで、ワンチャンを狙って学習時間が足りなくても挑んでくる層がかなり多いのではないか?という推測が成り立ちます。つまり、そのせいで合格率が低い、ということです。

私の結論としては、真剣に学習をすれば十分に合格可能な試験、という判断となりました。中小企業診断士試験も1次試験、2次試験合わせれば4~5%程度の合格率ですが、そこまでの難易度の試験ではないですしね。

中小企業診断士試験や日商簿記検定1級など、合格率が10%以下になるような試験の場合、私は勝負になる受験生は合格者の倍くらい、つまり真面目に受験している人の半分くらいが合格する試験であると考えることにしています。

合格率だけを考えてしまうと、やっぱり尻込みしてしまうと思います。ですが、実際に私が数々の資格試験に挑戦し、一発合格していることを考えると、合格率はただの確率であることを実感します。

合格率は受かるか受からないの50%!

難関試験であっても、しっかり学習をしている人は胸を張ってそう言い切っていいと思います。

試験対策

私が受験した当時、試験研究の結果から社会保険労務士試験の攻略法を以下のように導きました。

まっすーの研究結果と試験対策:社会保険労務士試験
  • 独学可能であり、予備校に通う必要はない
  • 基本は過去問アウトプット学習で知識を増やす。テキストは呼んでいる暇がないので、どうしても理解が必要なときのみ参照する
  • 暗記しなければならない内容は、全科目横断総まとめを使用して丸暗記する
  • 選択式は足切りを絶対回避!5問中3問を取るための演習を数多くこなす
  • 社会保険は知識の横断整理をするための工夫も重要
  • 直前対策での知識の底上げも非常に重要

かなり盛り沢山ですね。社会保険労務士試験は難しい試験ではないのですが、要求される知識量が多いため、効率的に学習していかなければ合格に時間がかかってしまいます。

ここから先は、各項目について解説しながら、実際の学習方法をお伝えします。

実際の学習

過去問アウトプット学習を中心にしてテキストは参考程度

まず最初に、私の提唱する過去問アウトプット学習理論について触れたいと思います。簡単に言ってしまえば、

過去問アウトプット学習理論

テキストを最初から読んで学習するのでなく、いきなり過去問を解き始めることで、インプットとアウトプットを同時進行する

ということになります。

資格試験での短期間合格を狙うためには、この過去問アウトプット学習が役立ちます。

もし資格試験に挑戦したことがあるけれども、学習時間が足りなかったとか、途中で諦めてしまった、うまくいかなかった、などの失敗経験がある方は、是非この方法を試していただきたいです。

私の場合、資格試験の標準的な学習時間の半分以下の学習で合格していることが多く、実績はあると言えると思います。

少なくとも、テキストを最初からただ読むだけの学習は避けてください。私は正直に言って、学習しているつもりになるだけで、学習内容が頭には入らないため、意味がないと思います。

それだったら、できる限り頭に残すための努力をするべきだと考えます。頭に残すためには、アウトプットが必要です。テキストを読んで、すぐに演習問題を解くなど、アウトプットにつなげているのであれば問題ありませんが、テキストをひととおり読んで、それから問題を解くのでは、テキストを読んだ内容はほぼ頭から消えてしまいますので、意味がないと思います。

詳しくはこちらの記事で説明していますので、よろしければご参照ください。

過去問インプット学習理論!~短期間高得点合格するための効率的な資格試験勉強法を公開~この記事では、どうすれば効率的に資格試験の学習ができるか知りたい!短時間で資格試験に合格したい!過去問はいつから手をつけるのがいい?参考書で学習した後?それとも試験直前?といった疑問に回答しています。...

社会保険労務士試験では、私は過去10年分の過去問が解説とともに収録されている以下の過去問集を使用しました。過去問アウトプット学習では、多くの過去問を解くことで、本試験レベルの問題に触れつつ、知識を定着していく必要がありますので、なるべく多めの過去問に触れられるようにしたいです。

よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集
(1) 労働基準法・労働安全衛生法・労災保険法
(2) 雇用保険法・労働保険料徴収法・労務管理その他の労働に関する一般常識
(3) 健康保険法・社会保険に関する一般常識
(4) 国民年金法・厚生年金保険法

一方、社会保険労務士試験のテキストですが、例えば私も使っていたみんなが欲しかった! 社労士の教科書 2021年度であれば1172ページのボリュームです。

1から読んでいては相当な時間がかかりますので、テキストを最初から読んでいくというのは本当にオススメしません。一方で、個別の論点を詳細に確認するには非常に役に立つ本ですので、念のために購入しておくことはアリだと思います。

社会保険労務士試験は本当に細かい論点を聞かれることが多い試験であり、過去出題された問題についてはテキストが基本的に抑えていますので、内容を知りたい時にさっと見るには役立ちます。疑問点をネットで調べるという方法も有用ではありますが、少し手間がかかりますね。

全科目横断総まとめを使用して丸暗記する

社会保険労務士試験のテキストすべてを覚えられれば試験合格は間違いないでしょう。ですが、労力が大きすぎて、いくら時間があっても足りません。

そこで、このような暗記用のテキストを使用します。
みんなが欲しかった! 社労士全科目横断総まとめ 2021年度

こちらのテキストの素晴らしいところは、社会保険労務士試験で最も悩む健康保険法・厚生年金法・国民年金法、および労災保険法・雇用保険法の違いや共通点を横並びで記載することで、理解しやすくしている点なのですが、最も素晴らしいのはそのサイズです。

コンパクトサイズなので、どこにでも持ち運び可能です。私はこれに高校や大学入試で使うような、のマーカーで重要な言葉を塗りつぶして、緑色のシートをかぶせて塗りつぶした部分を見えないようにして、穴埋め問題のように何度も何度も繰り返して見て、暗記しました。

相当な範囲がい色で塗られることになりましたが、これがなければ試験合格はなかったと思います。当時の私は仕事や家庭に多くの時間を取られ、勉強もスキマ時間におこなうことがほとんどでしたので、スキマ時間をいかに効率的に使うかが鍵でした。

この学習法であれば、通勤電車の中や会社の休み時間、風呂に入っている間などのスキマ時間にさっと学習することができ、学習時間を積み重ねることができます。

もちろん、テキストに書かれていることだけでは足りませんので、過去問アウトプット学習でいくらやっても覚えられないような論点は、自分で赤のボールペンで書き足したりすることで、更に暗記項目を増やしていきました。

選択式は足切りを絶対回避!演習を数多くこなす

社会保険労務士試験で大事なのは択一式でしょうか、選択式でしょうか?

私は選択式が大事、と言い切ります。

社会保険労務士試験は、基本的に知識を問う試験ですので、学習時間を伸ばして知識を増やしていけば、ある程度点数が取れるようになります。少なくとも択一式で落とすということはなくなると思います。

ですが、そのレベルに達した方でも簡単に不合格になる恐ろしい仕組みが選択式試験です。

選択式試験を確実に合格するレベルに知識を上げるのは不可能ではないか?と思うほど、過去問を見ていると理不尽な問題があります。1科目たった5問の問題で、合格基準の補正があるとはいえ、原則3問落としたらアウトですから、運の要素が非常に強いです。

社会保険労務士試験で少しでも合格する確率を上げるには、

基本知識の底上げで択一式がこなせるレベルに到達した後は、とにかく選択式試験の経験値を上げる

というのが私にとっての対策でした。
選択式試験は、残念ながら過去問対策があまり有効ではありません。

理由は、過去問と同じような問題を選択式で出してしまうと、多くの人が対策をしてきて、回答できてしまうから、あまり素直な問題が多くありません。特に、社一、労一と言われる一般教養科目はクイズか??と思うような運を天に任せるしか無いような問題も散見されます。

そのため、私としても過去問対策だけで大丈夫とは決して思えず、まずはこちらの選択式問題の集中特訓用の教材を使用しました。

みんなが欲しかった! 社労士 合格のツボ 選択対策

この教材は、選択式試験問題が333問掲載されており、その難易度も基本問題から発展問題までさまざまです。選択式試験は何が出るかわからないのですが、本当にても足も出ない問題が出てしまった場合、不合格がほぼ確定してしまうので、とにかく幅広く経験しておくしかないです。

また、この選択式問題を多く解くことの効能としては、試験中の最後の最後の判断が必要になったときの勘を鍛えておくということもあると私は考えます。

これを私は現場対応力と呼んでいるのですが、試験中に頼れるのは自分自身しかありませんので、その判断を下支えする経験値を獲得しておくことが有効であると考えます。

それは試験問題をたくさんやったことなのか、多くの暗記をしたことなのか、問題文を呼んだ時間なのか、何が効果があるかはわかりませんが、私を含め壁を超えられる人の多くは、こうした努力を積み重ねることで、あと1点でも多く取るための努力をしていると思います。

社会保険は知識の横断整理が重要

社会保険関連法令は、先ほども説明したとおり、健康保険法・厚生年金法・国民年金法、および労災保険法・雇用保険法の横断整理が必要です。

過去問を早めにやっておくとわかるのですが、よくある正誤選択のひっかけとして、例えば厚生年金法の内容を聞いていて、選択肢に国民年金法の規定を入れるなどは本当によく見られる形です。

これは法律のベースが同じだから、ということが理由ではありますが、試験で出されると「あれ?これは国民年金だっけ、厚生年金だっけ?」といった内容で悩んでしまうことがあります。もしその違いがわからなくなってしまえば、その問題の正答確率は下がってしまうので、できる限り正確に覚えておく必要があります。

そのためには、社会保険法令間の横断整理が必要に重要になってきます。
先ほどご紹介したみんなが欲しかった! 社労士全科目横断総まとめ 2021年度は、確かに良い教材ではあるのですが、これだけでは正直足りません。

そのため、私は社労士ビーンズ(しゃろび)というサイトを利用していました。
こちらのサイトは、社会保険労務士試験に合格した5名の方が作成されていて、

わたしたち「しゃろび」が受験生時代に、「こういう情報があればいいなぁ」と思っていたことを、Webで実現したということです。

という、「初めて来られたあなた」のページに書いてあるように、社会保険労務士試験受験生であれば感動するような本当に必要な情報が盛りだくさんです。

なによりも素晴らしいのが、Excelシートで用意されている詳細な横断整理情報で、この情報のまとめ方が素晴らしく、私はこの情報で各社会保険法令の違いを把握していました。

有料サイトであり、すべての情報にアクセスするには5,000円かかるのが少し痛いですが、下手なテキストを何冊か買うよりはずっと有用だと考えます。

無料でアクセスできる情報だけとりあえず見てみて、使えそうなら課金するというのが良い使い方だと思います。

直前対策での知識の底上げも必要

社会保険労務士試験でもう一つ重要なことは、法改正等の直前情報対策です。労働法関連は最新の判例や通達情報、社会保険法関連は毎年行われる改正情報について、試験対策としては必ず抑えておく必要があります。

予備校に通っていればそうした直前対策情報も得られるかも知れませんが、独学の場合はそれもありませんので、最新情報には注意しておく必要があります。

直前対策としては、

  • いくつかの予備校が開催する模擬試験を受験する
  • 直前対策のための教材を購入する

の2つはやっておく必要があると考えます。

私の場合、模擬試験はTACとLEC、大原の3校を受験し、直前対策教材としては無敵の社労士 (3) 完全無欠の直前対策を使用しました。

模擬試験では、各予備校が全力を上げて、本試験で出題される問題を予想してくれますので、当たるか当たらないかはともかく、論点としては抑えておきましょう。同様に、直前対策教材もしっかりと学習してきます。

なぜこれをやるか?というと選択式で最新情報から出題された場合、ても足も出ず、また来年になってしまうからです。

社会保険労務士試験を受ける方は基本的に忙しい方が多いので、時間も取れないと思いますが、7月末から最後の1ヶ月くらいは、本気で追い込んで、知識を詰め込んで詰め込んで本試験に望む、というのがあるべき姿だと思います。

なぜそんなことを言うか?というと、私のTACの模擬試験結果では、「まだ時間はあります。今後の努力次第です。」という、半ば諦めムードの総評を受けた1ヶ月後にはきちんと合格レベルまで実力を上げているからです。

試験1ヶ月前に受け取った模擬試験結果がこちらです。絶望的な状況でした。

社会保険労務士試験では、残り1ヶ月で大きな逆転劇が起こりえます。そこまで余裕だった方も追い越されてしまうかも知れませんし、実力が足りていなくても、合格レベルまで到達する可能性も十分にあります。

そのため、この直前期は社会保険労務士試験にとって非常に重要です。

試験結果とその後

社会保険労務士試験の結果は、冒頭でご紹介したとおりです。余裕で合格というレベルではありませんでしたが、択一式、選択式すべての科目で6割以上という成績で合格を果たすことができました。

私にとってはこの社会保険労務士試験に5ヶ月で合格できたのは、その年の試験が簡単だったという可能性もありますが、試験の研究をして、効率的な学習法を検討し、その道を突き進むことができたからだと思います。

これで私は中小企業診断士に加えて社会保険労務士としても活動することが可能となり、2つの資格のシナジーを期待することができるようになりました。

将来的には、社会保険労務士として登録した上で、厚生労働大臣が定める司法研修(特別研修)を修了し、さらに紛争解決手続代理業務試験を受けて、特定社会保険労務士の資格もしたいと思っています。

まとめ

私の社会保険労務士試験への独学での挑戦について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。方法さえ誤らなければ。5ヶ月という短期間でも社会保険労務士試験の合格が可能ということはおわかりいただけたかと思います。

最後にまとめておきます。

社会保険労務士試験独学合格の秘訣
  • 合格率が低いといっても、真剣に受験している層はそれほど多くない。その層の中での合格率は受かるか受からないか半々の50%くらい
  • 過去問アウトプット学習を中心にしてテキストは参考程度
  • ポケットテキストを使用して丸暗記する
  • 選択式は足切りを絶対回避!演習を数多くこなす
  • 社会保険は知識の横断整理が重要
  • 直前対策での知識の底上げも必要

社会保険労務士試験は運次第という話も確かにありますが、きちんと戦略を立てて、決めた方向に迷わず突き進めれば、難関といえども一発合格の可能性は十分にあると思います。

是非挑戦して、合格を掴み取ってください。

ここまでお読みくださいましてありがとうございました。

ABOUT ME
まっすー
中小企業診断士のまっすーです。 社会保険労務士やITストラテジストなど、多くの難関資格に合格した実績をベースとした資格試験の学習方法、ExcelマクロやPythonを活用した自動化の推進、経営に役立つ管理会計の理論解説、ITを活用した経営資源の有効活用などの情報を発信しています。

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