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NHK受信料とイギリスBBC受信料 比較してわかったNHKのコンテンツ数の少なさと受信料の多さ

こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。

  • NHK受信料との比較でよく出てくるBBC受信料はどんなもの?
  • BBC受信料の未払いは刑事罰まであるって本当?
  • BBCもテレビを持っていたら契約しなければならないの?
まっすーです。中小企業診断士試験他多くの資格に合格した実績をベースに数々の資格試験の合格アドバイスをしています。
行政書士資格や社会保険労務士資格、ビジネス実務法務検定1級資格などを保有していますので、法律論に関してはそれなりに知識があるレベルです。
NHK受信料について、BBCとの比較でわかったことを主に法的な側面からお伝えします。

NHK受信料の問題点についてはこちらの記事で説明していますので、よろしければご覧ください。

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BBC受信料とは?

BBCの概要

BBCはイギリスにある放送局です。British Broadcasting Corporationの略で、日本語訳は英国放送協会となります。放送局の区分としては、下の表の公共放送であり、受信料を主たる財源として運営されています。

国営放送国家が直接管理・運営する放送 。税金収入など国費を財源として運営される。(例:アメリカのVOA、中国の中国中央電視台など)
公共放送公共企業体や公的機関により行われる放送。非営利事業が受信料を主たる財源として運営することが多い。
(例:NHK、イギリスのBBCなど)
民間放送民間の資本によって設立された放送事業者によって行われる放送。広告を放送して得られる広告料収入を主な財源とする。
(例:日本テレビ、フジテレビなど)

放送局数は、イギリス国内向けとしてはテレビ9、ラジオ5がありますが、国際放送やローカル放送などもあり、総数はもっと多くなります。

テレビBBC Oneフラッグシップチャンネル。様々な種類の番組を放送
BBC Two時事問題やスポーツ、知的教養番組などさまざまな番組
BBC Fourドキュメンタリーとシリアスな番組
BBC Newsニュースと時事
BBC Parliament議会中継など
BBC Albaスコットランドゲール語のチャンネル
S4Cウェールズ語のチャンネル
CBBC6歳以上の子供向けの番組
CBeebies6歳未満の子供向けの番組
ラジオRadio 115-29歳までの若者向け放送
Radio 2Radio 1よりも上の年齢層向け放送
Radio 3音楽・芸術・教養番組など
Radio 4ニュース・ドラマ・ドキュメンタリー・ガーデニングなど
Radio 5 Liveニュース番組や聴取者参加型番組、スポーツ中継

NHKは海外向け放送を除いてテレビ6チャンネル、ラジオ3チャンネルですので、BBCの方が多いですね。

BBC受信料について

BBCも、NHKと同じような公共放送ですので、受信料で運営されています。この受信料のことを、TVライセンスフィー(TV License Fee)といいます。この記事ではNHKにあわせ、BBC受信料と記載します。

このBBC受信料の徴収は、Communications Act 2003という法律によりBBCに権限が与えられています。受信料はカラーテレビで年間157.5ポンド(1ポンド150円換算で23,625円)、白黒テレビで年間53ポンド(同7,950円)となります。

2021年4月以降はカラーテレビで159ポンド(同23,850円)に値上げされるようです。これはイギリスでは物価上昇により公共料金が上昇しますので、その影響です。

受信料収入は2019-20年度で年間35.1億ポンド(同5,261億円)、これは円換算でNHKの3分の2程度になります。

BBC受信料の特徴は、

  1. テレビの新規購入時にはTVライセンスも同時に購入しなければならない
  2. 視聴世帯で受信料未払いの場合、起訴され1000ポンド(同15万円)の罰金が課せられる。これは刑事罰となる。
  3. テレビを持っていることが契約義務ではなく、テレビを見ていることが受信料支払い義務の対象(ただし訪問調査員による判定)
  4. テレビを見ている、には実際のテレビ放送の生放送だけでなく、放送された番組の録画の視聴、You TubeやAmazon Primeでのテレビ番組ライブの視聴、ライブ放送されている番組のネットサービスでの視聴、iPlayer(BBCのネット放送サービス)の視聴が含まれる。BBCを見ているかどうかは関係ない

となります。

なお、受信料契約の対象になるかは調査員が自宅まで調査をしに来て、テレビを見ていると判定された場合は②の支払対象に強制的にされてしまいます。

ですので③でテレビを持っていることそのものは受信料支払対象としていませんが、「テレビがあるけど見てないよ」が通じるかはわかりません。恐らく見ていると判定される可能性は高いでしょう。

これらを総合すると、BBC=受信料支払の強制力の強いNHKのような存在でしょうか。NHK受信料は所詮民事上の話ですが、BBC受信料は刑事罰となります。

一方、BBC のいいところは、TVライセンス不要宣言(No License Needed Declaration)、つまりテレビを見ていませんよ宣言ができます。これをすると、調査員が自宅まで調査に来て、本当にテレビを見ていないと判定されれば、受信料の支払が免除されます。

こちらのリンクでその宣言をすることができるようです。逆に言うと、この宣言をしなければ支払い義務があるということになってしまいそうです。

BBC受信料の問題

NHK受信料も相当問題を抱えていますが、BBC受信料も同様に問題を抱えています。

2020年、ボリス・ジョンソン政権はBBC改革を提起しており、それには下記のような内容を含んでいます。

  • 現行の受信料制度を廃止し、課金制を導入する
  • BBCのラジオチャンネルの大部分を売却する
  • BBCのテレビチャンネル数を減少する
  • BBCのウェブサイトの規模を縮小する

また、受信料未払いに対する罰金(刑事罰)の廃止も検討されているようです。

言うなれば、小さな放送局を目指すということでしょうね。これは若者を中心とする「テレビ離れ」により、BBC受信料の意義そのものが問われ始めているのでしょうね。

NHK受信料に関しては、政権がそのようなコメントを出すことはしていませんね。受信料引き下げに関する話が出ることはありますが、1月60円下げるとか、そんな程度のようですね。

NHK受信料とBBC受信料の比較

NHK受信料とBBC受信料について、表にして比較してみます。見れば見るほど、NHKとBBCは似ていますね。
ただ、やはり強制力という観点でBBCの方が強そうです。

受信料とチャンネル数の関係でいうと、NHKは少し儲けすぎ?という事も言えるかも知れません。日本の人口は1億3千万人、対してイギリスは6千万人くらいですから、受信料がだいたい同じなので、NHKの方が規模は大きそうなのに、チャンネル数で負けているというのは少し情けないような気もします。

特に、NHKはBS4K、BS8Kもそれぞれカウントしており、これらにも相当なコストがかかるものとは思います。ですがこれらを見ている方は少ないでしょうし、実質はテレビ4チャンネルくらいで考えるべきかも知れません。

BBCで見直し議論が具体的に出ている中で、NHKの抜本改革案が出ていないというのは極めて疑問です。

時代を考えると、必要かどうかという議論が出てしかるべきなのですが、テレビではほとんど語られることはないですね。

まとめ

NHKとBBCの受信料について見てきましたが、ここでまとめます。

NHKとBBCの受信料
  • NHKとBBCは似ている
  • 受信料は同じくらいだが、視聴者が少なく規模の小さいBBCの方がコンテンツを多く提供している
  • BBC受信料は強制力が強く、刑事罰まで適用可能
  • BBCは見直し論が具体的に出ているが、NHKはほとんど出ていない

時代は完全にインターネットに移行していますので、これからNHK改革の議論も進んでいくのだと思いますが、日本の場合は既得権益を必死で守るのでどうなるかはまだわかりませんね。

ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

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まっすー
中小企業診断士のまっすーです。 社会保険労務士やITストラテジストなど、多くの難関資格に合格した実績をベースとした資格試験の学習方法、ExcelマクロやPythonを活用した自動化の推進、経営に役立つ管理会計の理論解説、ITを活用した経営資源の有効活用などの情報を発信しています。

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