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資格取得の学習法 独学・通信・通学どれを選ぶ?メリットとデメリットを理解して最もいい方法を選ぼう

こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。

  • 資格試験を受験しようと思うけど、独学・通信教育・通学どの方法がいいのかな?
  • 独学・通信教育・通学のメリットとデメリットをそれぞれ知りたい!
  • 通信教育や通学を利用したほうがいいのはどういった場合?
まっすーです。中小企業診断士試験他多くの資格に合格した実績をベースに数々の資格試験の合格アドバイスをしています。
私の場合は、中小企業診断士二次試験以外のすべての資格試験に独学で合格していますが、独学・通信教育・通学のメリットとデメリットを踏まえながら、どのように資格試験の学習法を選択するべきかを説明していきますね。

資格試験の学習方法

資格試験の学習方法としては、独学・通信教育・通学の3つに大きく分けられます。それぞれの区分を見てみましょう。

独学

まずは独学です。
読んで字のごとし、独りで学習するのが独学です。独学とは、独りで学習することがポイントなのではなく、予備校の通信講座や通学講座などを利用せず、テキストや問題集を購入して自分で学習を進めていくことを指します。

そのため、勉強会やサークルなどでみんなと一緒に学習するような形態に参加しても、予備校を利用しないのであれば独学というカテゴリーでいいのかと思います。

また、予備校の教材を利用すると言っても、模擬試験に参加するだけの場合は、独学のカテゴリーに入れていいと考えます。

通信教育

続いて、通信教育です。通信教育とは、予備校が運営する通信講座を受講して資格試験の受験対策をすることを指します。通信教育では、スクーリングのように一部の授業を予備校で受験することが可能な場合もありますが、大部分が通信講座であれば通信教育というカテゴリーになると考えます。

通信教育には、テキストや問題集などが送付されて、解答に対する添削指導などで指導する基本的に書面でおこなうタイプと、ストリーミング映像や音声、DVDなどを使用して授業を受講する形でおこなうタイプに分けられます。

通学

最後に通学です。
通学は予備校に実際に通うことを指します。一般的には、決められた曜日・時間に予備校の教室に行って、講師がおこなう授業を受講する形式で学習をしていきます。

対面式でおこなうため、ある程度緊張感をもって授業を受ける必要があり、また疑問に思ったことをすぐに質問できるというのは独学や通信にはない大きなメリットと言えるかもしれません。

まっすーの資格試験取得方法

ここで私の合格した資格試験について、独学・通信教育・通学の区分をまとめてみました。私の場合、ほとんどの資格は独学で取得しています。

区分模試
中小企業診断士1次:独学
2次:通信教育
利用
社会保険労務士独学利用
行政書士独学利用
日商簿記検定1級・2級・3級独学利用
ビジネス実務法務検定1級・2級独学
ITストラテジスト独学
システム監査技術者独学
データベーススペシャリスト独学
応用情報技術者独学
基本情報技術者独学
TOEIC独学
BATIC(国際会計検定)通信教育
(コントローラーレベル対策)
新HSK(漢語水平考試)
6級・5級・4級
独学
    危険物取扱者乙種4類独学

私は資格試験挑戦時の試験分析に力を入れており、挑戦する段階である程度合格するための学習量やスケジュール感、利用する参考書や問題集などを把握することにしています。その結果、多くの資格は独学で対応可能と判断しました。

危険物取扱者を除けば、通信教育を利用した資格は中小企業診断士2次試験と、BATICの2つでした。その理由は以下のとおりです。

  • 中小企業診断士2次試験:記述式試験は解答、採点基準が公開されず、1次試験後の短期間で対策をするには、完成された解答手順を身につけることが効率的であり、そのためには予備校のノウハウを活用すべきと考えたため
  • BATIC:(当時)市販のテキストにコントローラーレベルの詳細までをカバーするものがなく、通信教育を利用しなければコントローラーレベルの高得点を狙うことが難しいと考えたため。

逆に言うと、上記2つの資格試験以外は独学でなんとかなると考えました。

独学のメリットとデメリット

まずは独学について、メリットとデメリットを挙げてみます。

独学のメリット

費用が安い

1つ目のメリットは、費用が安いということです。独学を選択する方の多くの理由は費用が安くて済むからではないかと思います。確かに、独学では参考書や問題集を購入する費用と受験料くらいしか費用がかからないため、費用は安いです。

この費用の安さは、資格試験に挑戦するハードルの1つを低くすることができるという点でメリットであると言えます。私の場合、中小企業診断士とBATIC以外の資格を独学で取得していますが、もし独学でなかった場合、多くの資格を取得することはできなかったと考えています。

自分のペースで学習を進められる

独学の場合、自分のペースで学習を進められるというのもメリットの1つです。通信教育や通学の場合、カリキュラムがあらかじめ定められていて、そのスケジュールに従って学習をしていくことになります。

ですが、仕事や家庭の都合でスケジュールどおりに学習が進められないような場合は、独学の方が時間効率的にいいということも考えられます。

資格試験の学習をあきらめてしまうパターンの1つとして、通信教育や通学のスケジュールについていけない、ということも聞きますので、そうなってしまうくらいなら独学を選択して自分のペースで進めるというのも1つの方法かと思います。

損切りしやすい

独学の場合、損切りしやすいというのもメリットです。もし何らかの事情で資格試験の学習をあきらめなければならない事情が発生した際に、発生しているコストは参考書や問題集の購入費用くらいですので、やめたり、一旦休止する心理的ハードルが低いといえます。

資格試験の合格を目指すのであれば、途中でやめることを考えてスタートしていたら合格できるはずがない、という考えもあるかもしれませんが、多くの資格試験挑戦者は学業や仕事を抱えながらの挑戦となりますので、途中で何が起こるかはわからず、休止や中止を考慮したリスクマネジメントをしておくことは重要と考えます。

独学のデメリット

学習方法が非効率になりやすい

独学で資格試験対策をおこなう場合、最も大きなデメリットが学習の非効率さです。

通信教育や通学であれば、カリキュラムに従って学習を進めていくことになるため、どの分野を重点的に学習すればいいか、どの分野は控えめな学習でいいか、といった学習の重点の置き方を過去試験の分析による出題傾向や法改正などの最新情報を元に検討してくれます。
そのため、予備校の方針に従って学習を進めていけばある程度効率的な学習が可能です。

一方、独学の場合参考書や問題集に頼った学習となりがちであるため、重点を置いた学習をすることが難しく、ある程度網羅的に学習することを余儀なくされてしまいます。自分で過去問分析、試験研究などができるのであればこの点は解消されますが、初めて資格試験を受験するというようなケースでは、素直に予備校を利用することを考えてもいいと思います。

もちろん、独学の場合であっても、Webサイトや掲示板、SNSなどで出題傾向や最新情報の入手は可能ですが、信頼をおける情報にたどり着くことが難しいという問題があります。特に直前期の匿名掲示板などの情報は、必ずしも信頼できる情報ばかりではありませんので要注意です。

モチベーションが保てず、長続きしない

独学の次のデメリットがモチベーションが保てず、長続きしないという点です。資格取得を志し、合格に向かって一直線に努力できる場合は問題ないのですが、もしご自分で意志が弱い、モチベーションを保つのが不得意と感じている場合、これは大きなデメリットとなります。

資格試験を受験する場合、様々な困難や誘惑が考えられます。例えば仕事や家庭の事情で学習を継続するのが困難になったり、友人や同僚の飲み会や遊びの誘いに乗ってしまって学習が満足にできなくなったり、ということです。

もちろん社会人であれば仕事を優先するべきですし、息抜きのために遊んだり趣味の時間を持つことも重要です。ですが、そればかりを優先していては資格取得のための勉強時間が確保できなくなってしまいます。

質問や相談がしづらい

独学の場合、質問や相談がしづらいというのもデメリットです。

通信教育の場合、多くはメール等による質問制度が設けられていて、わからないことや学習の方向性に関する相談などが可能です。また、通学の場合は実際に教室に行って講師から教わるわけですから、授業後にいろいろと質問、相談することが可能です。

一方独学ではそうした制度の利用は難しく、独自で疑問点の解消や、相談する相手を見つけなければなりません。今はSNSがその代わりになるともいえますが、この場合も信頼できる相手を見つけるのが難しいかもしれません。

通信教育のメリットとデメリット

続いて、通信教育のメリットとデメリットを見てみましょう。

通信教育のメリット

効率的な学習が可能

通信教育では、効率的な学習が可能というのがメリットになります。予備校が作成する独自のカリキュラムに従って学習を進めていくことになるため、過去問の出題実績に基づく重要なポイントを中心に効率的な学習を進めていくことが可能です。

社会人の方は時間がないため、効率的な学習をすることは必須です。そのため、独学ではなく通信教育を選択肢に入れてもいいのではないでしょうか。

また、法制度の改正のキャッチアップも迅速におこなうことができるというのも通信教育におけるメリットと言えます。

(独学と比較して)学習計画を立てやすい

効率的な学習という点と関係しますが、独学との比較では学習計画を立てやすいというのもメリットです。すべて自分でスケジュールを立てなければならない独学に比べれば、通信教育はある程度スケジュールの目安といったものが提示されているため、学習の計画は立てやすいです。

もちろん、そのスケジュールに従って学習を進める必要がありますので、スケジュールを守れるだけの時間管理は必要となります。

質問、相談制度がある

独学ではわからない点や不安な点について質問や相談をすることが難しいというデメリットがありましたが、多くの通信教育では質問や相談制度が設けられています。そのため、独学に比べれば質問や相談が可能です。

メールやチャットなどでの質問になりますが、信頼のできる相手から早く回答を得られるので、学習を進めていく上での安心感があるといえます。

通信教育のデメリット

費用がかかる

独学に比べれば、費用がかかるというのが通信教育の大きなデメリットです。参考書や問題集を購入すれば済む独学と比べて、通信教育では予備校の運営コストがかかっているため、かなり大きな出費になるといえます。

もちろん、最近ではスマホやタブレットを利用した低コストの通信講座もありますので、そのような通信教育であれば費用負担は少なくてすみますが、それでもそれなりのコストがかかります。

なお、厚生労働省の教育訓練給付制度を活用することでも通信教育のコストを抑えることが可能となります。資格試験の種類や予備校が限られますが、もし該当するのであれば必ず申し込みましょう。

通学と比べるとモチベーションの維持が難しい

通学と比べた場合、モチベーションの維持が難しいというのも通信教育のデメリットです。もちろん、すべて自分でスケジュールを立てなければならない独学に比べればカリキュラムがはっきりとしているので、それに従って学習を進めていけばいいのですが、通信教育では決められた時間に授業を受ける、といった方式ではないため、自分でスケジュール管理をしなければなりません。

そのため、仕事や家庭、友人関係などで受講しなければならなくなった場合に、通信教育より他の用事を優先してしまいがちです。そうなるとモチベーションの維持が難しくなってしまい、続かなくなってしまう恐れがあります。

通信教育を続けていく場合にも、それなりに強い意志が必要なのではないかと思います。

通学のメリットとデメリット

最後に通学のメリットとデメリットを見てみましょう。通信教育と大きな違いはありませんが、通学の場合は実際に予備校に行くことになるため、時間や場所の制約がある一方、人と実際に会うことによるメリット、デメリットが考えられます。

通学のメリット

効率的な学習が可能

こちらは通信教育でも同様でしたが、予備校のカリキュラムに従った効率的な学習が可能という点がメリットとなります。加えて、通学の場合は教室で実際に目の前で講師が授業をおこない、他の受講生と一緒に聞くことになりますから、真剣さも加わり授業内容の理解も深くなることが期待できます。

予備校によりますが、授業中に指されて答えを求められるような授業スタイルの場合は、賛否はあると思いますが、嫌でも集中せざるを得ず、学習効率が高くなるというメリットもあると考えます。

疑問点をその場で質問できる

資格試験の学習をしていると、さまざまな疑問が出てくることがあります。通学している場合、講義中に分からなかった点、疑問に思った点をその場で質問することが可能です。講義中に質問することが難しくても、講義後に質問する時間はあるはずなので、そこで詳しく確認することができるでしょう。

通信教育でも質問制度はありますが、疑問に思った点をすぐに確認できるのは通学の大きなメリットであるといえます。

また、講師だけでなく、その場にいる受講生と疑問点を共有することも可能という点も大きいです。一人で色々悩むよりも、他の人に疑問を共有すれば簡単に解決することも多いため、その意味でも通学のメリットは大きいと言えます。

人脈形成が可能

これは副次的なメリットではありますが、実際に予備校に通学すれば他の受講生と必然的に顔を合わせることになりますので、同じ目的を持った者どうしで仲良くなって、人脈形成が可能ということがあると思います。

資格試験の挑戦後も続いていくような仲間ができる可能性があるのも、通学のメリットですね。予備校の授業だけではなく、受講生で集まって自主的な勉強会を開催するというのもありかもしれません。

とはいえ、授業後の飲み会ではしゃぎすぎたり、勉強会などで周りの意見に左右されて受験対策が曖昧なものになってしまったり、場合によってはデメリットにもなりがちなので注意が必要です。

通学のデメリット

費用が高い

通信教育と同じく、通学でも費用は高くなります。通信教育の場合は予備校のノウハウにかかるコストに加え、テキストやDVDといった教材費、ストリーミング映像の場合はインフラ費用がコストとして考えられますが、通学の場合は実際に予備校で授業がおこなわれるため、教室の場所代がコストとして乗ってきます。

加えて、自分自身が移動する必要があるため、交通費や場合によっては食事代などもコストとして考える必要があるかもしれません。

通学するのに時間がかかる

通学の場合、通学にかかる時間というのもデメリットの一つになります。予備校が勤務先や自宅に近いところにあるのであればいいのですが、そうではなく予備校まで行くのに時間がかかる場合は、この時間も考慮に入れなければなりません。

ただでさえ学習に使える時間が少ない社会人の場合、通学時間で学習時間を削ってしまうことになってしまう可能性があり、よく考える必要がありそうです。

スケジュール調整が必要

通学の場合、決まった授業時間に予備校に行って受講する必要があることから、スケジュール調整をしなければならないというのもデメリットです。仕事や家庭の都合でどうしても授業できない、といったケースはよくあると考えられ、その場合の振替制度があるとしても、限界があるため、スケジュール調整がうまくできず授業についていけなくなるというリスクもあります。

まとめ

以上、資格試験対策の独学、通信教育、通学について見てきました。今回の内容を下記の表にまとめてみました。青字がメリットの部分、赤字がデメリットの部分となります。

私としては、特に赤枠で囲った部分が重要と考えます。費用と学習効率、疑問点の質問・相談が可能かどうかといった点はよく検討する必要があります。

独学・通信教育・通学
  • 独学はコスト面で優位だが、学習効率が低くなりがち
  • 通信教育はコストが高いが、予備校のノウハウが活用できるというメリットが大きい
  • 通学はコストに加え時間的な制約がある反面、効率的な学習や質問や相談対応などのサポートも期待できる
  • 自分で試験対策をするのが難しいと感じるのであれば、迷わず通信教育や通学の利用を考える

 

資格取得を志したのであれば、まずはしっかりと試験についての研究をおこない、独学・通信教育・通学のどれを選択するべきか、検討しましょう。初めての資格試験挑戦であれば、まずは通信教育にトライしてみるのもありだと思います。

ここまでお読みくださいましてありがとうございました。

ABOUT ME
まっすー
中小企業診断士のまっすーです。 社会保険労務士やITストラテジストなど、多くの難関資格に合格した実績をベースとした資格試験の学習方法、ExcelマクロやPythonを活用した自動化の推進、経営に役立つ管理会計の理論解説、ITを活用した経営資源の有効活用などの情報を発信しています。
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