ITストラテジスト

ITストラテジストは難易度・格付け・ステータスが最高レベルのすごい資格!意味がないなんてことはない

こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。

  • ITストラテジスト試験を受けようと思うけど、意味あるかな?
  • ITストラテジスト資格を取ってメリットはある?
  • ITストラテジスト試験に合格する人はどんな人?
まっすーです。中小企業診断士試験他多くの資格に合格した実績をベースに数々の資格試験の合格アドバイスをしています。
ITストラテジスト試験には2014(平成26)年秋期試験で一発合格しています。ブログではITストラテジスト午後II試験の再現答案や解き方など合格の秘訣を公開していますが、今回はそもそものITストラテジスト試験を受ける意味について語りたいと思います。

ITストラテジスト試験については、少し古いですが私の2014年度の合格体験記と、午後II試験の再現答案をこちらのリンクで紹介していますので、よろしければご参照ください。

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ITストラテジスト試験の位置づけ

情報技術者試験の最高峰

ITストラテジスト試験は情報技術者試験のトップレベル、最高峰の試験です。
試験としては、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の設定するスキルレベル1~4のうち、レベル4に属する9つの試験の中でも難易度の高い論文系で、最高の難易度と言われています。

公認会計士、弁護士、医師に並ぶ労働基準法上の専門職

このITストラテジスト資格ですが、実は労働基準法第十四条第一項第一号に定める、高度な専門知識を有する労働者(専門職)として認定されています。

  • 公認会計士
  • 医師
  • 歯科医師
  • 獣医師
  • 弁護士
  • 一級建築士
  • 税理士
  • 薬剤師
  • 社会保険労務士
  • 不動産鑑定士
  • 技術士
  • 弁理士

といった、錚々たる専門職と並ぶ資格として認定されています。

試験の難易度の格付けも最高レベル

分野の異なる国家試験間で難易度を比較するというのもおかしな話ですが、例えば資格難易度ランキングのようなものを作るときに、ITストラテジスト試験は、

司法試験・公認会計士試験>司法書士試験・税理士試験=>ITストラテジスト試験

として格付けされることが多いです。司法書士や税理士よりも上にされている場合も見られます。

私は、そのような難易度の高い資格は持っていないのですが、あくまで自らの持っている資格の難易度を格付けしてみるとすれば、以下のようになります。

SとかAとかはあまり意味がないのですが、大体

  • 難易度S・・・取得に2~3年かかるレベル、かつ受験者のレベルが最高
  • 難易度A・・・取得に2~3年かかるレベル
  • 難易度B・・・取得に1年程度かかるレベル
  • 難易度C・・・取得に半年程度かかるレベル

としています。受験勉強期間で決めるのもどうかと思いますが、だいたい資格のレベルを紹介しているWebサイトなどでも、こんな感じかと思います。

ITストラテジストやシステム監査技術者は、この評価基準でいくと、どんなに頑張って評価しても、難易度Cの日商簿記検定1級や行政書士試験レベルであると考えます。学習時間そのもので考えれば、場合によってはそれよりも低いかも知れません。

ですが、世間での実際の難易度の評価ははるかに高くなっています。

いろいろ考えた結果、私としては、

ITストラテジスト試験は、実務経験まで資格取得難易度に入っている

という結論に至りました。

ITストラテジスト試験を受けるような人は、IT業界である程度の経験を積んだ、ITのプロであり、その方がITストラテジストという箔付けの資格を取ることは、税理士試験や司法書士試験に合格するくらいの価値がある、と。

逆に言えば、ITストラテジスト試験合格だけでは意味がないのでしょう。
ここからはITストラテジスト合格者のイメージを考えてみます。

ITストラテジスト試験に合格する人の特徴

ITストラテジスト試験に合格する人が、どういう特徴を持っているか考えてみました。

ITストラテジスト資格保有者である私の場合は、

「経理の業務経験豊富、かつITプロジェクトにもたびたび参画する会社員で、中小企業診断士資格保有者」ということになるのですが、自分で言うのもなんですが、恐らくITストラテジスト資格を名乗るのにふさわしい経歴を持っていると勝手に考えています。

ITストラテジスト試験へ挑戦する方に共通する特徴を見てみましょう。
全体の傾向を見るのに最もいいのは、受験者のレベルがわかる、IPAの公開している統計情報です。

参考のために、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験と比較してみます。
令和元年秋季試験の統計情報から引用しています。

この統計情報からわかるITストラテジスト試験合格者の傾向として、

  • 最終学歴は大卒以上が4分の3
  • 従業員数は1,000人以上の大企業勤務が半数以上
  • IT業務従事者が6割を超える
  • 勤務経験18年以上が3分の1を占める
  • 平均年齢は39歳

ということがわかります。
大体ITストラテジストのイメージが湧くのではないでしょうか。

IT業務に長い間携わり、様々な業務経験を積んできた集大成としてこのITストラテジスト試験に挑んでいるのかな、と私は考えます。

そうした方がITストラテジスト資格を保有した場合、実務経験+国家資格であるITストラテジストという肩書は、税理士や司法書士試験合格者に匹敵するものがあるかも知れませんね。

結論として、本記事のタイトルにも書いていますが、ITストラテジスト試験というのは、

合格した人がすごいのではなく、すごい人が合格する試験

であると考えます。試験の意味はあるの?という疑問が出てくるとは思いますが、この点は次で解説します。

ITストラテジスト資格は意味ある?取得のメリット

ITストラテジスト資格について、今度はメリットがあるかどうかで、資格取得の意味を考えてみます。このメリットは、やはり今まで述べてきたIT業務経験が豊富な方を対象としたメリットとなります。

ただITストラテジスト試験に合格するだけだとあまりメリットはないかも知れません。

メリット1 業務経験の集大成としての資格

ITストラテジスト試験は、先に述べたように業務経験を積んできたIT技術者が、その経験の集大成として、国家資格という形でその経験の裏付けを得るという位置づけであると考えます。

その場合、ITストラテジスト資格を保有することは、まさに業務経験の箔付けに使用可能であり、高い評価を得ることが可能であると考えます。ただし、業務経験がイマイチな場合にはあまり意味がないかもしれません。

メリット2 最高峰難易度試験合格者という自尊心

これは合格しないとわからないかも知れません。

他の情報試験試験とITストラテジスト試験は違います。情報試験試験最高峰なんです。

この資格を持っている人はそれほど多くありません。試験自体は何てことはないレベルだと私は思いますが、頑張って取ろうという人が多くない、ということもあって、誰もが持っている資格ではありません。

ITストラテジスト資格を保有すると、自己肯定感がかなり高まります。あくまで私の感想ですが。

メリット3 報奨金が証明する資格のレアさ

ITストラテジスト試験に合格すると報奨金を出す会社はそれなりに多いようです。

報奨金が出るということは、会社としてその資格を保有している人が欲しい、という事があるのだと思います。そして、ITストラテジスト試験の合格報奨金は最高レベルであることが多いです。つまり、ITストラテジスト資格を保有してほしい、思う会社が多いと言えると考えます。

ITストラテジスト合格報奨金例

合格報奨金が出ない会社ももちろん多いでしょうが、金銭的なメリットそのものではなく、ITストラテジスト資格は社会的にそうした評価を受ける資格であると考えられます。

メリット4 転職に有利

これは実務経験がなければ意味がありませんが、ITストラテジスト資格を持っていれば転職に有利になると考えます。

もちろんこの効果は、実務経験とITストラテジスト資格がマッチするような、ITコンサルとか、IT企画部門への転職の場合に最大限に発揮されると思いますが、ITストラテジスト試験に合格するためのストラテジ系の知識を習得していることは仕事の幅を広げることにつながります。

メリット5 ITコンサル技術の証明

これは正直なところ、ITストラテジスト試験がどういう試験かわかっている人にしか理解ができない可能性があります。

ですが、午後I試験で紙上診断のような形で、「文章として提示された案件に対して、的確に問題を把握し、コンサルティングする技術」を証明し、午後II試験で「自らIT業務改革を実施した経験を水準以上の論述で説明する技術」を証明しているのですから、あくまでペーパーテストレベルではありますが、ITコンサルティングの技術者としてのスキルが証明されます。

メリット6 日本ITストラテジスト協会へ入会できる

一般社団法人日本ITストラテジスト協会(JISTA)という団体があります。こちらの団体の正会員はITストラテジスト有資格者(旧試験のシステムアナリスト有資格者含む)のみとなっています。

こうした同じ資格を持った方々が情報交換したり、人脈を広げる機会が与えられるというのも、ITストラテジスト資格を持つメリットと言えるかも知れません。

まとめ

今回の記事をまとめます。

ITストラテジスト資格の意味
  • ITストラテジスト資格そのものの難易度はそこまで高くない。だが受験生は業務経験が豊富な場合が多く、業務経験を加味した難易度は税理士や司法書士試験に匹敵する
  • ITストラテジスト資格を取得するメリットは多い。特に資格取得のハードルがそこまで高くないことを考えれば、IT業務経験が豊富ならば是非挑戦すべき資格である
  • 情報技術者試験最高峰という響きはやはり素晴らしい
  • 国家が認める専門職

ITストラテジスト資格には大きな特別感が伴います。これを持っていれば食いっぱぐれない!といった資格ではありませんが、ITストラテジスト試験に合格すると少し見える世界が変わるかも知れませんよ。

是非、ITストラテジスト試験に挑戦してみてください。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

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まっすー
中小企業診断士のまっすーです。 社会保険労務士やITストラテジストなど、多くの難関資格に合格した実績をベースとした資格試験の学習方法、ExcelマクロやPythonを活用した自動化の推進、経営に役立つ管理会計の理論解説、ITを活用した経営資源の有効活用などの情報を発信しています。
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