こちらの記事は次のような方のニーズに応えるために書いています。
- 中小企業診断士試験に短期間で合格する秘訣が知りたい!
- 中小企業診断士試験の合格体験記を読んでみたい。
- 中小企業診断士試験1次試験の学習方法は?
中小企業診断士試験には2012年に5ヶ月間の学習で一発合格しています。短期間で合格できた学習法の秘訣を含め、私の中小企業診断士試験の合格体験記をお話しますね。
中小企業診断士試験の合格証
説明への説得力を持たせるために、私の中小企業診断士試験の合格証をアップしておきます。
1次試験の合格証はそのまま残っているのですが、2次試験の合格証は15日間の実務補習後、中小企業診断士として登録する際に提出してしまっているため、コピーのみが残っています。
どうせなら、カラーコピーしておけばよかったですね。
ちなみに1次試験の得点は平均約78点でした。得点開示請求をしていないため、あくまで自己採点結果です。
また、2次試験の得点は開示請求しており、平均70点後半の高得点で合格しています。
得点については後日機会を見つけて公表したいと思います。
中小企業診断士試験を志したきっかけ
私は大学時代に行政書士資格を取得し、就職してからは日商簿記検定1級やビジネス実務法務検定1級、国際会計検定(BATIC)コントローラレベルなど、法律・会計系の資格を取得してきました。
仕事では就職・転職を経て、経理・財務、経営企画の業務に携わり、ITを活用した業務改善や、ITプロジェクトなどへの参画をする中で、ITスキルを見につけていきました。
そんな中、ITスキルを証明するために目指した応用情報技術者試験で、合格したら中小企業診断士試験の「経営情報システム」科目の科目免除が得られる、ということを知り、中小企業診断士試験に興味をもちました。
応用情報技術者試験の受験については、こちらの記事で書いています。
最初のきっかけはそんなものでした。
ですが、そこから中小企業診断士試験が難関資格であることに気づくのですが・・。
試験研究
いきなり参考書を買いに行ったり、行動を起こすこともいいとは思いますが、方向性を誤ってしまった場合、修正するのは意外に労力のいることですから、試験を受けると決めたときは一度立ち止まって、試験内容の研究をすることをおすすめします。
とはいえ、私が中小企業診断士試験を受験しようと思ったのはゴールデンウィーク明けでしたので、試験が8月上旬であるということを考えるとかなり無謀なタイミングだったかもしれません。
ただ、短期間合格の秘訣であるアウトプット中心の学習を実践すれば、3ヶ月でも中小企業診断士試験の1次試験合格は十分目指せるとは思います。
こちらに私が提唱する過去問アウトプット学習理論をまとめていますので、よろしければご参照ください。
1次試験の概要
1次試験の概要は以下のとおりです。
試験も1日では終わらず、2日もかかります。1日目で疲れ果てて、2日目で実力を出せない、なんてことになっては台無しです。
よって、体調管理が重要ということが考えられますね。
7科目の試験は平均60点以上が取れれば合格です。
ただし、1科目でも40点未満だと足切りにより、不合格になってしまいます。
また、不合格になってしまっても、その後2年間は科目合格が認められるようになっています。学習時間が十分に取れない場合でも、3年間かけて合格を目指すこともできるわけです。
過去問研究
この概要を理解した上で、過去問を見てみます。一般社団法人中小企業診断協会のホームページから、過去問のダウンロードが可能です。
私の受験した平成24年度試験問題も今のところはまだ見られます。
慣れない科目だと非常に難しく感じてしまいますね。ただ、ざっと問題を見ていくと、非常に難しい問題と簡単な問題のレベル差がかなりあること、難関国家試験ですので過去問でまったく同じ問題が出ることはなくても、似たような問題が出ていることがあることがわかります。
1次試験については、しっかりと学習すれば、決して太刀打ちできないレベルではないことがわかります。
私の場合は、日商簿記検定1級とビジネス実務法務検定1級を保有しており、応用情報技術者の合格発表待ちでしたので、財務・会計と経営法務、経営情報システムはなんとかなるかと思いました。
1次試験の内容であれば、日商簿記検定もビジネス実務法務検定も2級レベルがあれば十分です。
試験対策
中小企業診断士レベルの試験であれば、予備校通学や通信講座受講も考えられるのですが、私の場合は3ヶ月後が試験ということで、そうした選択はもともとできず(申込期限が過ぎていた)、独学での受験を決意しました。
試験研究の時点では、一般的なテキストを網羅的に読んでいる時間がないと判断し、まずは過去問アウトプット学習で知識の底上げをしつつ、必要に応じて知識のインプットをしていくことを考えました。
過去問アウトプット学習で基礎を固めるてからインプットに取り組むことで短期間合格を目指す!
学習方法
過去問アウトプット学習で基礎力アップ
過去問アウトプット学習で基礎を固めることを決めた私は、まずはTACの過去問集7冊を購入しました。
当然わからないことだらけですが、問題一問一問に真剣に取り組み、それぞれの選択肢について一生懸命考えます。
このとき、問題文の言い回しと選択肢の内容もよく読んで、最悪当てずっぽうでも構わないので、何かしらの答えを導き出します。
この、わからないけれどなんとかして回答するというのを繰り返すことで、試験に対する経験値が上がっていくと私は考えます。
本試験というのは、一生懸命勉強してきた受験生をふるいにかけるため、絶対に見たこともない、わからない問題がたくさん出てきます。過去の学習で記憶している内容がそのまま出てくればラッキーですが、実際はどれかわからない、2択までは絞れる、など自信を持って回答できる問題もある程度出てきます。
この、土壇場の状態では本試験レベルの問題にどれだけ真剣に向き合ったかが、かなりの可能性を上げると私は信じています。
ですので、過去問学習の1回目から真剣にすべての問題文と選択肢をきちんと読んで回答する。どう考えてもわからないような問題でも、何でもいいので理論付けて回答を導き出す。この思考の流れを鍛えること、これは必ず役に立ちます。
不安になりスピード問題集もトライ
過去問対策は十分となってきたのですが、さすがに5年分の過去問だけでは、問題演習量が足りないと感じました。
そこで、スピード問題集も7冊購入、この学習も進めました。過去問に比べて、予備校が独自に作成している問題集は、正直に言って問題の精度としては高いとは言えません。実際の試験で出題されるのは過去問なのですから、過去問が最もよい試験対策です。
ただ一方で、過去問を5年よりも前に遡る場合、内容によっては知識が古くなってしまっている可能性があります。もちろん古本屋で過去問題集を購入することもできるでしょうが、そもそも回答が変わっていたりすることもあるため、これもオススメはできません。
模擬試験で本試験直前情報をチェック
独学で学習を進めている場合、模擬試験を受けることはオススメです。
実際の試験日程での模試は体力的にもハードですが、60分や90分の試験時間の感覚を掴んでおくために、一度は受験したほうがいいと考えます。
過去問で試験の問題に慣れるのと同じように、試験時間に慣れるということも必要、ということですね。
なお、私はTACとLECの模擬試験を2回受験しましたが、申し込みが間に合わず、どちらも通信で受講しました(LECは締切にも間に合わず自己採点)。
ポケットマスターで最低限の知識のインプット
こうした過去問アウトプット学習をすすめる中で、過去問で出題された内容は回答可能だとしても、その周辺知識など暗記してなければ回答できない問題が出たらまずいな、と思いました。
特に、「運営管理」、巷では暗記三兄弟と言われる「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」はかなり暗記が必要になってきます。
中小企業診断士試験のテキストも市販はされているのですが、当然7科目分で7冊あります。これをすべて読んでいくのは、3ヶ月では難しいのでテキストを読み込むのは諦めました。
その代わりに、暗記をしっかりとするためにポケットテキスト2冊を購入して、通勤時間、会社の昼食時間、その他スキマ時間を利用して暗記を進めました。
中小企業経営・中小企業政策は別対策が必要
なお一点、「中小企業経営・中小企業政策」については過去問をやる意味は余りありません。特に中小企業経営については、前年度に発行された中小企業白書の中から、クイズのような初見では運を天に任せるしかないような問題が出題されることが多く、すべてを暗記するのは無理でも、ある程度図表や数値を頭に入れておく必要があります。
ただ、中小企業白書はボリュームも多いですからそれを最初から読み込むのはテキストを読むよりも膨大な作業となり、不可能です。そこで、「中小企業経営・中小企業政策」だけはTACのスピードテキストを購入して、重要ポイントと思われる部分を暗記しました。
そして試験日
試験は渋谷のフォーラムエイトというところで受験しました。今でも診断士試験の会場になっていますね。
1次試験は夏真っ只中の勝負。
水分補給や汗対策、眠気対策に冷房対策、あらゆる準備をしておく必要があります。フォーラムエイトへは渋谷駅から10分弱という距離でしたが、朝とはいえ猛暑の中歩いた私は、会場到着時には汗だくになっていました。
フォーラムエイト自体はレンタルスペースということで、非常に快適な試験会場でした。ただ、これは会場の問題というよりは中小企業診断士試験のような男女比が極端に異なる試験の場合よくある話なのですが、トイレ待ちが非常に長くなります。
こういうときは列に並ぶよりも、ある程度空いてくるまで待つ、別の階に行って空いているトイレを探す、といった対応も必要です。
なお、どんな試験でも間違いなく言えることですが、終わった科目についてはすべての科目が終わるまで気にしないことです。私は1次試験1日目の試験での回答が気になってしまい、2日目に向けて一切時間の無駄をできないところ、ネットで回答を調べたり掲示板を見てしまったりして、体調管理に影響が出てしまいました。
試験結果とその後
中小企業診断士試験の1次試験は、多肢選択式(マークシート)です。
問題用紙に回答を記入しておけば、予備校の解答速報や中小企業診断協会の解答発表時点で自己採点して点数の予測が可能です。
自己採点で合格点を超えていることがわかっていれば、すぐに2次試験の対策が始められます。中小企業診断士試験の2次試験は、これが本番と言ってもよく、難易度がさらに上がります。
私の場合は、解答発表時点ですぐに合格点を超えていることがわかりましたので、2次試験対策用の試験研究を開始することにしました。
実は1次試験までの期間が短かったため、2次試験の問題もほとんど意識したことがなく、難易度についても知りませんでした。
このため、2次試験までの約80日間で大変な思いをすることになるのですが、このお話はまた別の記事で書きたいと思います。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。