中小企業診断士

中小企業診断士試験のために応用情報技術者試験を受験するのは意味がある?免除を狙うのはあり?

こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。

  • 中小企業診断士試験の経営情報システム科目を免除するために応用情報技術者試験を受けようと思うけど、意味はあるのかな?
  • 応用情報技術者試験を受験してから中小企業診断士に挑戦しようと思うけど、どうだろう?
  • 応用情報技術者試験について知りたい!
まっすーです。中小企業診断士試験に向けた情報を解説しています。今回は応用情報技術者試験についてのお話です。
基本的に私は中小企業診断士受験に向けて応用情報技術者試験を受験することには賛成です。

応用情報技術者試験と中小企業診断士試験

応用情報技術者試験という試験があります。
この試験、私にとって中小企業診断士試験を受験するきっかけになった試験でした。

中小企業診断士試験に挑戦しようと考える方にとって、応用情報技術者試験は、受験ステップの選択肢の一つとして、十分に検討の余地があるものと考えます。

詳細は後述しますが、この試験は春と秋の年二回受験機会があって、私は春(4月)に受験しました。
中小企業診断士試験は一次試験が8月にあるため、4月といえばもう少しで追い込みにかかる時期。でも、実はまだ診断士試験「として」の勉強はしておらず、応用情報技術者の受験勉強をしていました。

診断士試験については、これを取れば科目免除が受けられる、ということは知っていたので、応用情報技術者に合格できたら診断士を受けてみようかなと思っていました。

普通に考えれば、中小企業診断士試験一次試験の勉強に必要な時間は700~800時間ですから、無茶な発想でした。無知は怖いです。

中小企業診断士試験に合格した今振り返ってみると、応用情報技術者試験の勉強は、結果的に診断士の勉強もやっていたことになると思うんですね。

応用情報技術者試験について


まず、応用情報技術者試験について説明します。
この試験は経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が行う国家試験です。

かつては第一種情報処理技術者試験と言われており、平成13年にソフトウェア開発技術者試験と改称・試験範囲変更、平成21年に応用情報技術者試験と改称・試験範囲変更がありました。

平成21年の変更時には、従来のソフトウェア開発者だけでなく、ユーザー側にも対応した試験となり、出題範囲はテクノロジ系がほとんどだったものが、ストラテジ系やマネジメント系の問題が加わりました。簡単に言うと、診断士試験側に近づいたということになります。

試験は春と秋の年2回行われ、1回が午前と午後の試験に分かれており、午前は四肢択一式80問、午後は平成27年秋の試験から記述式でセキュリティ系の1問は必須回答、残り10問中から4問を選択して回答し、計5問に回答するというものです。

中小企業診断士試験のステップとして応用情報技術者を受験するメリット


この応用情報技術者試験を受験して合格したことは、中小企業診断士受験のストレート合格への弾みになった、と今でも思っています。

その理由は下記の4つです。

  1. 経営情報システムに絶対的自信が持てる
  2. 企業経営理論や運営管理の概要の知識を得ることができる
  3. 簡単な事例問題による二次試験シミュレーションが可能
  4. 中小企業診断士試験をはじめ、各種資格試験で免除が受けられる

以下、解説していきます。

経営情報システムに絶対的自信が持てる

経営情報システム試験は、年度ごとに難易度のブレが大きいです。

もし免除を受けられるとしても、受けるか受けないかの判断は意見が分かれるところですが、応用情報技術者試験に合格するくらいのIT知識を獲得しておけば、基本的には経営情報システムは怖くありません。

私の場合、応用情報技術者合格後に診断士試験の経営情報システム5年分(H19~H23)の過去問をやった際に、7科目中唯一、初見で5年とも60点超となりました。

過去問学習法については別の記事で述べていますが、初見で多くの問題を解く中で、過去問をすべて合格点が取れている、というのは大きな自信につながります。

もちろん、これで何も勉強しなくても合格できる!というほど中小企業診断士試験は甘くはありませんが、得意科目を一つでも持っておけば、他の受験者に比べて優位に立てることは間違いないでしょう。

企業経営理論や運営管理の概要の知識を得ることができる

試験範囲がマネジメント系やストラテジ系と幅広い分野にわたっていることで、例えば運営管理で勉強するQC7つ道具や経済的発注量、企業経営理論のSWOT分析、PPM等を、あくまでもかる~くではありますが、勉強する必要があるため、企業経営理論や運営管理の勉強する際に、少しは知っている知識があるということで自信につながります。

簡単な事例問題による二次試験シミュレーションが可能

午後の部の試験なのですが、外食チェーンの設備拡張工事の財務分析を行う問題や、旅行会社の販売戦略を問われる問題等、診断士二次試験のような事例問題が出題されます。

解答方法は選択式や20~50字程度の記述式であり、当然二次試験ほど難しくはありませんが、プチ事例問題の演習をやっているような感覚です。(もちろん、それ以外の問題は技術者っぽい問題が並びます)。

過去問題はIPAのホームページに公開されていますので、興味のある方はご覧ください(模範解答もありますのでご安心を)。

中小企業診断士試験をはじめ、各種資格試験で免除が受けられる

応用情報技術者試験に合格することで、各種試験の科目免除などを受けられるのも大きなメリットです。

Wikipedia 応用情報技術者試験の項目より引用

中小企業診断士とは関係ありませんが、この免除特典の中で、受験にかかる時間やコストを考えると、弁理士受験のために科目免除を狙うのは大いにアリなのではないかと思います。

ちなみに私の場合、春の試験(4月下旬)にこの資格に合格したとしても、合格証書(6月下旬頃私の家に到着)を出願時(6月上旬)に添付しなければならないことを知らず、同年の診断士一次試験での科目免除は受けられませんでした。

結果的にその年でストレート合格できて、免除を使わずに済んだのはよかったですし、応用情報技術者試験の受験経験で得られたものは非常に大きかったので、私としてはまったく損だとは思っていません。

中小企業診断士試験のステップとして応用情報技術者を受験するデメリット

上記で述べたメリットに対し、デメリットも挙げておきます。

  1. 直接中小企業診断士を狙うよりも時間がかかる
  2. 中小企業診断士試験に不要な知識も勉強する必要がある

直接中小企業診断士を狙うよりも時間がかかる

中小企業診断士試験は試験範囲も広く、一次試験だけでも700~800時間の学習が必要な難関試験です。

その対策だけでも大変なのに、途中で寄り道して応用情報技術者試験を受験するのはかなりの負担です。

ただ、科目免除というメリットは今後ずっと継続して受けられるため、これを重視するのであれば、受験を検討するのはいいかもしれません。

中小企業診断士試験に不要な知識も勉強する必要がある

考え方の問題なのですが、私は資格試験というのは何よりもまず合格することが重要と考えています。細かい知識や周辺知識は、資格を取得した後にいくらでも学ぶ機会があります。

そのため、中小企業診断士試験を目標にする場合、応用情報技術者試験では出題され、中小企業診断士では出題されない分野は単純に無駄になってしまう可能性があります。

午前試験・午後試験とも、経営情報システムをターゲットにした場合はオーバースペックなもの、特にテクノロジ系の基礎理論(計算機科学に関する基礎理論、アルゴリズム、プログラミング)などは、中小企業診断士試験にはまったく役に立たないと言えます。

そうした範囲も学習することに意義を見出すかは、各個人の判断になると思います。なお、私としてはアルゴリズムの学習は人生を変えるほどの効果があったため、中小企業診断士試験対策は別として、学習する意義は十分にあると考えています。

まとめ

今回の記事をまとめますと、「中小企業診断士試験のために応用情報技術者試験を受験するのは意味があるのか?」という質問に対しては、

下記のようなメリットと、

  1. 経営情報システムに絶対的自信が持てる
  2. 企業経営理論や運営管理の概要の知識を得ることができる
  3. 簡単な事例問題による二次試験シミュレーションが可能
  4. 中小企業診断士試験をはじめ、各種資格試験で免除が受けられる

下記のようなデメリットがあり、

  1. 直接中小企業診断士を狙うよりも時間がかかる
  2. 中小企業診断士試験に不要な知識も勉強する必要がある

それぞれを比較して決める必要があります。

考える必要がありますが、私としては、私がたどった道であるということもありますが、受験を考えるのは十分アリだと思います。資格免除の可能性が得られることも、選択肢を増やすという点ではいいですし、IT関係でない方がこの資格を保有しているのは、他の方へのアピールになると思います。

以上です。記事をよんでいただき、ありがとうございました!

ABOUT ME
まっすー
中小企業診断士のまっすーです。 社会保険労務士やITストラテジストなど、多くの難関資格に合格した実績をベースとした資格試験の学習方法、ExcelマクロやPythonを活用した自動化の推進、経営に役立つ管理会計の理論解説、ITを活用した経営資源の有効活用などの情報を発信しています。
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