HSK

HSKは筆記試験とネット試験どちらを受ける?違いとメリット・デメリットの比較を詳しく解説

こちらの記事は次のようなことを知りたいという方に向けて書いています。

  • HSKには筆記試験とネット試験があると聞いたけど、どう違うの?
  • HSKの筆記試験とネット試験のメリット・デメリットを教えてほしい!
  • HSK何級を受けるならどっち、というオススメはある?
まっすーです。中小企業診断士試験他多くの資格に合格した実績をベースに数々の資格試験の合格アドバイスをしています。
HSK4・5級は筆記試験、6級はネット試験を受験して、全て一発合格(5・6級は180点以上で合格とした場合)していますので、それぞれのメリット・デメリットも熟知しているつもりです。これから解説していきますね。

こちらの記事では、HSKの各級の合格体験記を掲載しています。試験の分析、学習方法など、17の資格に一発合格したノウハウを満載していますので、よろしければご参照ください。

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HSK筆記試験とは?

HSK筆記試験は手書きの試験

HSKとは漢語水平考試(Hanyu Shuipin Kaoshi)の略で、中国政府認定の中国語の試験ですが、まず筆記試験について説明します。

筆記試験は、当然ですが解答用紙に手書きで解答します。とはいっても、聞き取り、読解についてはマークシートでの解答ですので、手書きと言ってもそれほどの負担はありません。ただし、HSK3級以上は作文の試験がありますが、これは漢字をしっかりと書かなければいけません。

もし、誤字があった場合には、容赦なく減点されてしまいますので、しっかりと漢字を理解しておかなければいけません。なお、HSKの出題は簡体字でされますが、解答は簡体字、繁体字のどちらでも可能です。

繁体字の方が日本語に似ているものが多いとはいえ、誤字の可能性を考えると簡略化された簡体字の方がリスクは低いかな、と私は思います。

ネット試験との比較を含め、筆記試験のメリットおよびデメリットについては後述します。

筆記試験の主催団体は2つあります。

どちらで受験しても、もちろんHSKの資格としての認定は有効です。

一般社団法人日本青少年育成協会

試験の回数

おおむね月に1回のペースで開催されています。

申し込み開始日・締切日

申し込み開始日は試験日の2ヶ月前、締切日が1ヶ月前となっていますが、よく延長されています。受験者が足りない時限定なのかもしれませんが、資格試験ではなかなか珍しいですね。

開催地

全国主要20都市といったときもあれば、愛知・大阪のみ、東京のみ、といったように一部の都市限定のときもあり、変動が大きいです。そのため、受験日を決める際によく情報を見ておく必要があります。

こちらのページで、数カ月先の試験予定が見られますので、よく見てどのタイミングで申し込みできるか確認しておきましょう。

受験料

筆記試験
6級9,790円
5級8,580円
4級7,370円
3級6,160円
2級4,950円
1級3,740円

試験結果

試験結果は試験後1ヶ月ほどでネット上で確認可能です。

財団法人アジア国際交流奨学財団

試験の回数

一般社団法人日本青少年育成協会とは異なり、年に6回の開催です。

申し込み締切日

申し込み開始日は試験日の2ヶ月前、締切日が1ヶ月前となっています。

開催地

東京・京都・大阪の3都市のみです。東京は全6回開催しますが、京都・大阪は3回だけとなっています。

こちらのページで、今年の試験予定を見ることが可能です。

受験料

筆記試験
6級8,900円
5級7,800円
4級6,700円
3級5,600円
2級4,500円
1級3,400円

受験料ですが、こちらは1割ほど(消費税分?)安くなっています。ちょっとお得な感じがしますね。

試験結果

試験結果は試験後1ヶ月ほどでネット上で確認可能です。

筆記試験を受ける場合、どちらで申し込むべき?

一般社団法人日本青少年育成協会と財団法人アジア国際交流奨学財団、どちらで申し込むか、という悩みがあると思います。私としては、

  • 受験日程、受験地が合うならば、受験料の安い財団法人アジア国際交流奨学財団
  • 受験日程、受験地が合わないならば、一般社団法人日本青少年育成協会

ということでいいと思います。私は一般社団法人日本青少年育成協会の方で受験しましたが、HSKの認定自体にはまったく影響ありませんし、受験できる方で受験するということでいいと考えます。

財団法人アジア国際交流奨学財団の方は、今後試験日程、試験会場が増えていくかもしれませんが、今のところは少し利用しづらいかもしれないですね。

HSKネット試験とは?

HSKネット試験はコンピュータで解答する試験

HSKネット試験は、こちらの株式会社新華コンサルティングという会社が運営しています。筆記試験同様、HSKで変わりはありませんし、合格証(成績証明書)もほぼ同じフォーマットで作成されます。

筆記試験との違いとして、ネット試験は、いわゆるCBT(Computer Based Test)形式で、パソコンに向かってマウスとキーボードで回答します。聞き取り試験は、ヘッドホンをして聞くことになります。

ネット試験の特徴として、HSK3級から出題される作文試験においては、ピンイン入力して変換することで、簡体字を入力していきます。つまり漢字を正確に記憶していなくても、ピンインさえわかっていれば、どんな漢字でも使うことができます。

これは結構便利で、このピンイン入力を使用するためにネット試験を選択する、という判断は大いにありだと考えます。

HSKネット試験の概要

試験の回数

月に1回のペースで開催されています。

申し込み開始日・締切日

申し込み開始日は試験日の3ヶ月前頃から可能で、締切日は試験日の1ヶ月前となっています。

開催地

筆記試験と異なり、開催地がかなり限定されます。今のところは7会場で開催されていますが、実質東京・静岡・名古屋・大阪・熊本の5会場ということになります。

遠い地域にお住まいの方だと、少し厳しいですね。

会場施設名
赤坂六本木多元文化会館
東大前長城学院
御茶ノ水駿台外語&ビジネス専門学校
静岡国際ことば学院外国語専門学校
名古屋愛知国際学院
大阪(なんば)医仁中国語学校
熊本YMCA専修学校熊本YMCA学院

受験料

筆記試験
6級9,790円
5級8,580円
4級7,370円
3級6,160円
2級4,950円
1級3,740円

ネット試験の受験料は、一般社団法人日本青少年育成協会で受験する場合と同じです。

試験結果

試験結果は試験後2週間ほどでネット上で確認可能です。筆記試験に比べて早くなっています。

HSKネット試験にはパソコン入力方法に慣れる練習が必要

私は、仕事で中国語を使っていたため、ピンインでのパソコン入力にはかなり慣れていたため、それほど練習は必要ありませんでしたが、初めてピンイン入力をする場合、ある程度の練習をしておくことをオススメします。

搜狗(sougou)

HSKネット試験で使用される言語ツールは、搜狗(sougou)というソフトウェアになります。パソコンにインストールすることが可能ですので、こちらを使用して練習してみるというのも一つの方法です。

こちらのサイトからダウンロード可能です。

丝绸之路(北京)国际教育科技中心

HSKネット試験のWebサイトにも記載されていますが、丝绸之路(北京)国际教育科技中心のサイトにて、模擬試験を受験して、HSKネット試験を体験することができます。当然作文試験ではパソコンでの入力を試すことができますので、是非試してみることをオススメします。

会員登録しなければならないのはネックですが、1回分の模擬試験を受験できるのはかなりのメリットと言えると思います。

筆記試験とネット試験のメリット・デメリット

筆記試験とネット試験のどちらで受験するか、というのはHSKの試験結果に影響を及ぼしかねない大きな選択と言えます。特にこれがHSK5級や6級を受験する場合は大きな影響があるかもしれません。

6級の場合400字の作文、しかも初見の文章を要約して作成するため、知らない単語や自信のない単語を作文で使わなければいけないときの対応に困る、ということが考えられますし、5級の受験であっても、80字の作文をすることを考えると、漢字とピンインのどちらが得意か、といった自分の特性に合わせて、受験する試験を考えることは有効です。

ここで筆記試験とネット試験の違いを見てみましょう。それぞれのメリット・デメリットは以下のようになります。

HSK筆記試験HSKネット試験
解答方式・マークシートにマークする時間が必要(聞き取りでは5分間マークする時間あり)・クリックだけで回答可能
聞き取り・メモが取れる・メモが取れない
読解・文章全体を読みやすい
・紙をめくるだけなので飛ばしたり、戻ったりしやすい
・文章全体を読みづらい
・問題を飛ばしたり、戻ったりしづらい
作文・ピンインがわからなくても漢字が分かれば解答可能
・漢字がわからない場合解答不可能
・漢字の
書き間違いによる減点あり
・書き直しは消しゴムで消して書き直し
・漢字がわかっていてもピンインがわからなければ解答不可能
・漢字の書き間違いによる減点なし
・書き直しはコピー&ペーストで楽
受験料9,790円8,900円(※)~9,790円
開催地・全国5都市7会場のみ・全国主要20都市の開催あり
開催時期・毎月開催
・毎月開催

アジア国際交流奨学財団で申し込む場合

私がメリット・デメリットが大きいと考える内容を太字で示しました。基本的に聞き取り、読解を優先する場合は筆記試験で受験したほうがよく、作文を優先する場合はネット試験のほうがいいと考えます。

HSK5級にもなると、作文の難易度が高くなり、80字✕2問の記述が必要となり、6級に至っては400字の記述が必要となります。そうなると、作文試験にウエイトを置いたほうがいいかな、と私は考えます。

私は5級は対応可能と考え筆記試験を受験しましたが、6級は筆記試験に挑むのは厳しいと考えて、ネット試験を受験しました。

まとめ

HSKの筆記試験とネット試験のメリット・デメリットについて解説しました。ここでまとめます。

HSK筆記試験とネット試験のメリットデメリット
  • HSK筆記試験は、作文試験で漢字がわからなくて書けない、漢字の誤字による減点の可能性があるというデメリットがあるが、聞き取り試験でメモを取れる、読解試験で読みやすいというメリットがある
  • HSKネット試験は、聞き取り試験でメモが取れない、読解試験でパソコン操作のため問題の行き戻りに難があるというデメリットがあるが、ピンイン入力で作文の解答ができる、誤字の可能性がないというメリットがある
  • 最大の違いは作文試験時に間違いに気づいたときの修正のしやすさ。ネット試験ならばコピー&ペーストで簡単にできるが、筆記試験では消しゴムで消して書き直し
  • HSK5級まではそこまで差がないが、6級は作文作成時に誤った際のリカバリーのリスクを考えると、ネット試験の方が高得点の可能性が高い

私の場合、悲しいことですがHSK6級を受験したときの実力では、筆記試験では作文試験で180点に到達可能な得点ができなかった可能性があり、ネット試験で良かったと考えています。

それぞれのメリット・デメリットをよく理解して、どちらを受験するか決めましょう。

ここまでお読みくださいましてありがとうございました。

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まっすー
中小企業診断士のまっすーです。 社会保険労務士やITストラテジストなど、多くの難関資格に合格した実績をベースとした資格試験の学習方法、ExcelマクロやPythonを活用した自動化の推進、経営に役立つ管理会計の理論解説、ITを活用した経営資源の有効活用などの情報を発信しています。

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